【コースで検証】打感とやさしさに磨きがかかった! ダンロップの新『スリクソン』のアイアンを徹底試打
洗練されたフィーリングでやさしく飛ばせる性能に進化
そして9月12日、ダンロップは新しい『スリクソンZXi』シリーズのアイアンの発売をスタートしました。軟鉄鍛造1枚モノの『ZXi7 アイアン』と性能バランスに優れた『ZXi5 アイアン』という定番モデルに加えて、全く新しい合金「i-ALLOY」を採用することでやわらかい打感とシリーズ最高の寛容性を実現した『ZXiR アイアン』の個性豊かな3機種が揃っています。
世界のトッププロが信頼を寄せるフィーリングに磨きをかけ、飛びや寛容性をさらに向上させたとのことですが、コースでどんな性能を発揮するのでしょう。今回は鶴舞カントリー倶楽部協力のもと、本コースでアイアン3機種の打ち比べを行いました。それぞれの特性や選び分けるポイントについて解説していきます。
フィーリングと飛びがさらに進化! アイアンとしての完成度が高まった
過去のシリーズでは、寛容性を重視したモデルほど、フェースの弾き感が強くなり、やや打感が硬くなる傾向がありました。しかし、新しい「ZXi7」、「ZXi5」では最高の打感を実現するために素材、製法、熱処理加工でベストな選択を行う「i-FORGED」によって、フィーリングが向上。新たにラインナップに加わった『ZXiR アイアン』も独自の合金「i-ALLOY」を使用し、性能とフィーリングの両立に成功しています。
モデル間のフィーリング差が小さくなったことで、『ZXi』シリーズは“コンボセット”を組みやすいアイアンになったと言えるでしょう。実際、ダンロップではカスタムオーダーにて、番手ごとに好みのモデルを選択することが可能です。より自分に合ったベストなセッティングが組めるシリーズとなっています。
まず『ZXi7 アイアン』は、前作に引き続き、非常にソフトな軟鉄素材「S15C」を使用。ソフトでフェースに乗るような極上の打感に仕上げられています。「PUREFRAME iQ」というバックフェースの新しい肉厚設計によって、オフセンターヒット時の寛容性が向上。余剰重量の創出にも成功し、重心設計も最適なものに進化しています。
打ってみると、インパクトでフェースにボールがグッと乗る感覚が強くあり、高い打ち出しでスピンの利いたボールが出てくれました。ダンロップ独自の「TOUR V.T. SOLE」によってソールの抜けも抜群に良く、ラフでもスムーズにボールを打ち抜くことができます。また、少し芯を外しても打感の変化が小さくなっており、飛距離ロスや方向のブレも小さくなっていたことも特徴的でした。やさしさという意味で大きな進化を遂げていることは間違いないでしょう。
寛容性を高める上で大きく貢献しているのがダンロップ独自の「冷間コンデンス鍛造」です。前作ではネック部分を強化することで、ソフトな「S15C」で高い耐久性を確保していましたが、鍛造工程の手順を見直すことで、最表面と深度の硬度差を大きくしました。ボールと接する表面にはしっかりとした硬さがあり、打感に影響する深部を軟らかくすることで、気持ちいい打感と安定した飛びを両立したのです。
『ZXi7 アイアン』と聞くと、ツアープロが使う難しいモデルをイメージするかもしれませんが、最新モデルはアマチュアゴルファーが使えるやさしさがしっかり備わっています。
最新モデルでは、「MAINFRAME iQ」と呼ばれる新しいフェース肉厚設計を採用。数千回に及ぶ打点シミュレーションを行い、大きな飛距離と優れた寛容性を両立しながら、余剰重量を生み出すことでヘッドの低重心化にも成功しています。
その効果が最も感じられたのが打感です。『ZXi5 アイアン』は高強度で靱性(じんせい)に優れた「クロムバナジウム鋼」をフェースに使用しています。しかし、インパクトした時の感触は軟鉄と遜色ないほどソフトで心地良く、そこにボールをグッと押す適度な弾きがプラスされた印象でした。安定して高弾道・適正スピンのボールが打ちやすく、タテ距離のブレが非常に小さく抑えられます。アイアンを安定させたい上級者から、ミスをカバーしたいアベレージ層まで幅広いレベルのゴルファーが性能の高さを実感できるモデルになっています。
また顔については、ツアーモデルらしいシャープさを持った『ZXi7 アイアン』と違いを持たせていることが印象的でした。『ZXi5 アイアン』は少しだけネックにグースを付け、トップラインに厚みを付けることで構えた時の安心感が強くなっています。
最大の特徴はアイアン用の新素材「i-ALLOY」を採用したことです。軽比重で設計自由度が高く、それでいて打感が軟らかくなる特殊な素材で、『ZXiR アイアン』の性能アップに大きく寄与しています。
『ZXiR アイアン』も数千回の打点シミュレーションを経て最適化されたフェース肉厚設計を採用。芯を外しても初速や弾道のブレを極限まで小さく抑えて、タテ距離を安定させることができます。その上で、ブレード長や溝を番手別に設計し、アイアンセットとして性能を発揮しやすくなるように工夫されています。
構えてみると、シリーズ中、最もトップブレードが厚く、フェースも大きく設計されていますが、メリハリのある造形でボテッとした印象は全くありません。適度なシャープさの中に強い安心感のある顔になっています。驚いたのはフィーリングの良さです。『ZXiR アイアン』の7番より上は「HT1770M」という高強度な素材をフェースに使っていますが、弾きつつも落ち着いたフィーリングで打感の硬さが全くありません。下の番手になると「i-ALLOY」でヘッド全体が成型されているため、軟鉄に近いソフトな打感に仕上がっていました。
そして弾道はシリーズの中でも屈指の球の高さで圧倒的にキャリーが出ます。7番のロフト角を見ると、『ZXi7 アイアン』が32度、『ZXi5 アイアン』が31度に設定される中、『ZXiR アイアン』は28.5度とかなりストロングですが、ヘッド構造によって打ち出し高さが出てくれます。ロフトが立っている分、ボール初速も高まりますし、パワーのないゴルファーが楽に飛ばせるアイアンだと言えるでしょう。
ちなみに、アイアンのテクノロジーを踏襲した『ZXiU UTILITY IRON』も同時に発売されています。軟鉄ボディに「クロムバナジウム鋼」のフェースという『ZXi5 アイアン』に近い設計で、中空構造を取ることでより初速性能が高まっています。アイアンが得意な人やウッド系のクラブに苦手意識がある人におすすめで、遠くのグリーンを高弾道ボールで狙い打つことができます。
※リンク先は外部サイトの場合があります
『RTZ2 ウェッジ』は直進性の高いヘッドで距離と方向がバッチリ合う
そして、「ZIPCORE iQ」によって全てのロフト角とグラインドで優れた操作性と安定性を発揮します。これはクリーブランドのウェッジに長年採用されてきたネック部にセラミックピンを内蔵するテクノロジーで、余剰重量を創出することで自由な重心設計が可能となります。今回はロフト角の大きい番手はスイートエリアを広く、ロフト角の小さい番手はスクエアインパクトを作りやすいように設計を最適化し、よりアプローチ、ショットのバラツキを抑えることに成功しました。
その上で精密なフェースブラストとミーリングを搭載する「HYDRAZIP」や最大19本(※「ADAPT」は21本)の高精度グルーブ「ULTIZIP」を搭載することでラフやウェット時でも高いスピン性能を発揮します。距離・方向・球質を安定させ、アプローチをやさしくしてくれるクラブが『RTZ2 ウェッジ』なのです。
また、さまざまなライからアプローチを打って感じたのは「ZIPCORE iQ」による直進性の高さです。
一般的なウェッジは重心がヒール寄りにあり、フェース開閉しやすくなる分、打ち出しを安定させることがシビアになります。一方、『RTZ2 ウェッジ』は安定してフェースをセットした方向にボールが飛んでくれます。しかも、ヘッドの直進性がある分、ラフでも芝の抵抗に負けることなく抜けてくれますし、逆目のライでも距離と方向が安定しやすくなります。せっかく距離が合っても方向がブレたら寄せワンは取れません。『RTZ2 ウェッジ』の直進性安定性、方向の出しやすさは心強い武器になります。
また、『RTZ2 ウェッジ』は5タイプのソールグラインドを選べることも魅力となっています。今回は「FULL」、「MID」、「ADAPT」、「588」の4タイプをテストしましたが、最も秀逸だったのは、クリーブランド氏がかつて生み出した名器ウェッジをインスパイアして設計された「588」です。
その他、スタンダードな10度のバンス角の「MID」ソールは、V字形状による抜けの良さが特徴的です。フェースを開くこともできますが、基本的にはスクエアに構えることでソールの性能が発揮されます。スイングタイプを選ばず、やさしくアプローチを打つことができます。よりダフリに強く、バンカーなどでやさしく脱出する性能を求めるなら、バンス角が12度の「FULL」がおすすめです。
一方、非常に個性的と感じたのがフルフェース溝でローバンスの「ADAPT」ソールです。低い打ち出しで強烈にスピンの利いたアプローチを打つことができました。バンス角8度となっていますが、ソールの後方に小さな出っ張りがあり、それがインパクトでロフトを立てるように働き、ボールを低く打ち出してくれます。フルフェース溝によって打点がブレてもスピンが安定しますし、止まる球を打ちたいなら有力な選択肢になるでしょう。
そして今回、実物を見る機会の少ない『RTZ2 ウェッジ』のノーメッキタイプ「ツアーラック」を打つことができました。同じロフト角・ソールのもので「ツアーサテン」と打ち比べてみると打感に明らかな違いが感じられました。
「ツアーサテン」は表面にメッキ処理があることでインパクトの衝撃が少なく、非常にソフトな印象でした。一方で、「ツアーラック」はインパクトの感触がダイレクトに手に伝わってきます。例えるなら、キャビティバックとマッスルバックのアイアンの打感の違いに近いです。インパクトでフェースのどこにボールが当たったのかはっきりと分かりますので、アプローチでより正確な距離のコントロールや弾道の打ち分けをしたいゴルファーに最適です。ちなみに『RTZ2 ウェッジ』は「Z-ALLOY」を採用することでノーメッキでもほとんどサビが出ません。これは軟鉄のウェッジにはない『RTZ2 ウェッジ』独自の魅力と言えます。
※リンク先は外部サイトの場合があります
※本記事は実際のコースで試打した際のインプレッションをもとにしています。試打者のスイングタイプやヘッドスピードなどにより、性能の感じ方や弾道が変わる場合があります。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ