バレンシアの体制一新で佐藤龍之介に新たな試練 ラ・リーガ2部で好調をアピールする2人の日本人
チェルシー時代の実績はひと昔前の栄光
ラ・リーガ第5節が終わった時点で勝ち点1の最下位。106年のクラブ史において最悪のスタートを切ったバレンシアが、ついに大ナタを振るう。9月13日(現地時間、以下同)、カルロス・コルベラン監督を解任し、さらにロン・グーレイCEO、および強化担当チームの4人の更迭も決めたのだ。
スペインのスポーツニュースメディア『El Desmarque(エル・デスマルケ)』のダビッド・トーレス記者は、「(オーナーの)ピーター・リムの決断はいつも遅い」と糾弾しているが、それでも多くのバレンシア・サポーターがこの決定を支持している。
2014年から香港の実業家であるリムが支配するバレンシアは、25年5月29日に低迷が続くクラブを根本から立て直すべく、スコットランド出身のロン・グーレイをCEOのポストに迎え入れた。
プレミアリーグ、とりわけチェルシーのCEO時代(09~14年)の実績が評価されての招へいだと、当時のクラブ公式サイトは伝えていたが、しかしそれはひと昔前の栄光だった。リムがオーナーとなった時点では、まだ名が知られた存在だったのかもしれないが、バレンシアのCEOに就任してからのこの1年は、もはやグーレイが現在のマーケットにまったくついていけない人物であることが露見しただけだった。
補強に関する全権を与えられていたグーレイ。しかしながら、移籍市場でチームが必要としている選手を見つけ出すのに時間がかかり、また「この選手」と決めたら次善の策も用意せず交渉に臨み、それが破談に終わればまた一から新たな候補を探すといった非効率的なやり方が、補強の遅れにつながった。
そうした人物の指揮下で、この夏に佐藤のようなタレントの獲得が実ったのは、奇跡的だったと言えるのかもしれない。
新監督の有力候補にはアギーレの名前も
バスケスは、就任当時2部に沈んでいたオサスナを1部に引き上げ、22-23シーズンにはスペイン国王杯準優勝、翌シーズンのスペイン・スーパーカップ出場へと導いた手腕が高く評価されている人物だ。
それだけではない。バスケスはバレンシアの内情もよく知っている。というのも、彼自身が10年6月から13年10月までこのクラブの強化責任者を務めていたことに加え、さらにカンテラ(下部組織)で育った息子のヘスス・バスケスが、現在トップチームのサイドバックとしてプレーしているからだ。13年ぶりに古巣へ復帰した新SDは、「息子は就任発表の10分前に(この事実を)知ったんだ。(黙っていて)悪かったと思うよ」とコメントしている。
現在の最大の関心事は、バスケスSDが誰を新たな監督として連れて来るのか、ということだ。当面はバレンシアBのオスカル・サンチェス監督が指揮を執るが、これはあくまでも暫定措置である。
最有力候補と見られていたのは旧知のエルネスト・バルベルデだったが、昨シーズンまでアスレティック・ビルバオを率いていた知将からは色よい返事がもらえなかった。そのため現在はホセ・ルイス・メンディリバル(前オリンピアコス監督)、そして日本でもおなじみのハビエル・アギーレ(前メキシコ代表監督)といった候補者に接触しているようだ。
ただ、誰が新監督になったとしても、ようやくスペインの環境に慣れてきた佐藤にとっては、ふたたび定位置取りのために一から自身をアピールする必要に迫られることになる。