徐若熙が腰の手術から復帰し即158キロ 「先発もリリーフも」日本一へ見据える新たな役割
長くなった後ろ髪をなびかせて、颯爽とした駆け足で一塁側ブルペンから飛び出してきた。1人目の打者、左打席に立った林晃汰への初球は内角高めにストレートが外れた。しかし、いきなり157キロを計測した。続く2球目は膝元に直球が決まった。これが158キロの1球だった。
「3か月ぶりくらいの試合だったので、まだ試合勘に少し課題があったと思います。球速自体はそこまで意識をしていませんでした。全力でやってみて、腰に問題がないか確かめたかったので」
球威に不満はなかったもののコントロールが乱れたことが不満だったようで、登板後も表情は険しいままだった。
「投球内容自体はギリギリ納得できる感じです。ただ、打たれた2本はどちらも高めに浮いたかなと思います」
日本に渡った最初のシーズンはもう終盤だ。1軍では6試合に登板して2勝3敗、防御率4.99と満足できる数字ではない。ただ、5月中旬に不振でファーム調整になった際、マウンド上での立ち位置を投手プレートの中央に変えたことで復調し、5月31日の広島戦(みずほPayPayドーム)では6回3安打7三振無四球無失点で勝利投手になった。次戦の6月7日、DeNA戦(横浜)も、打球が左ひざ裏付近に直撃するアクシデントがありながら6回2失点と力投して手応えをつかんでいた。
その後は6月24日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)に先発する予定で調整を進めていたが、登板2日前の練習で一度はグラウンドに姿を見せたものの突如キャンセル。そのままリハビリ組へ移管となり、7月15日に「右第5腰椎仙椎椎間板ヘルニア」に伴う、経椎弓間的全内視鏡下椎間板摘出術を受けた。
当初、球団発表では競技復帰までは2~3カ月と見込まれていた。だが、それを上回るペースでリハビリは順調に進み、実際には手術から2カ月を迎える直前にマウンドに戻ってくることができた。
「痛みの原因になっていたモノを取り除いただけでしたから」
手術の傷も極めて小さく済んだため、術後の練習復帰も早かったという。ソフトバンクでは昨年、近藤健介が4月上旬に腰の手術を行ったが、やはり想定よりも早い5月末には一軍復帰した例がある。
ソフトバンクでは原則、リハビリ組に属している選手は復帰戦を経て体の反応などを確認してからもう1試合無事に出場を終えれば、リハビリから卒業と見なされる。
チームの投手陣を取りまとめる倉野信次一軍投手チーフコーチ兼ヘッドコーディネーター(投手)は「しっかり出力が出ていたので、これからまた試合を重ねていくと思います。もちろんポストシーズンに向けても、しっかり戦力として見ていきたいと思っています」と期待を寄せている。