張本智和の「骨の髄まで」染み込んだ悔しさ 松島輝空の台頭と向き合う
日常でも頭をよぎる世界ランクの現実
全日本選手権で史上最年少優勝(当時14歳)を果たして以来、長年にわたって日本勢のトップに立ってきた23歳のエース・張本智和(トヨタ自動車)。しかし今年7月、幼少期から同じく“天才少年”として日本卓球界の期待を背負ってきた19歳の松島輝空(個人)が世界ランキング3位に浮上し、張本(同5位)を上回った。ランキングを抜かれたという事実は、試合や練習の場だけでなく、何気ない日常の中でも頭に浮かんできたという。
編注:最新の世界ランキングは松島3位、張本4位(9月14日時点)
若きライバルの台頭によって、張本の中に生まれた「悔しさ」。彼はその感情と、どう向き合っているのか。
悔しいと思われるのが嫌だった――複雑な感情
松島の実力を真っ向から認める一方で、張本が気にしていたのは「周囲からの視線」だった。長く日本勢のトップに立ってきた自分が年下に抜かれれば、「きっと悔しいだろう」と周囲は想像する。その視線を向けられることが「すごく嫌」だったのだ。
「めっちゃ悔しがっている自分がちょっと嫌だった。『松島強いし』っていう、強がっている部分はあったのかなって思いますね」
悔しさを認めながらも、周囲には強がってしまう複雑な心境。しかし日常に戻れば、ランキングを抜かれた事実をふとした瞬間に思い出し、それが練習に向かうモチベーションになっている。
「普段の生活で、あー抜かれちゃったんだなって思う瞬間がいろんなところで……携帯見てても思うので。そういうところが悔しさになって、それがまた原動力になって練習頑張ろうと。悔しさを力に変えたっていうのは試合の時じゃなくて、普段の練習で頑張れているのかなって思いますね」