日韓共催「Shinhan Donghae Open」が切り拓く未来とは? 韓国最大級の金融グループ、世界に通用する選手創出を目指す

北村収

日韓共催で開催された「Shinhan Donghae Open」 【写真提供:KPGA】

 韓国有数の金融機関であるシンハンフィナンシャルグループが主催する「Shinhan Donghae Open(シンハン ドンヘ オープン、新韓東海オープン)」が、9月10日(木)から13日(日)まで、韓国のジャックニクラウスゴルフクラブで開催された。日本ゴルフツアー機構(JGTO)と韓国プロゴルフ協会(KPGA)の共催で行われ賞金総額は15億ウォン(約1億7181万円)。優勝は砂川公佑が果たし、優勝賞金3億ウォン(約3,434万円)を手にした。

優勝を果たした砂川公佑 【写真提供:KPGA】

 韓国サイドの関係者は、日韓共催によってどのような効果が生まれ、その先にどんな未来を描いているのか。大会を主催する韓国最大級の金融グループ・シンハンフィナンシャルグループをはじめ、出場した韓国人選手、日本でも活躍した女子プロゴルファーで大会運営をサポートする金愛淑(キム・エースク)プロ、韓国プロゴルフ協会に話を聞いた。

共催が選手たちの競技レベルを高める

 この大会は2016年から韓国ツアーとアジアンツアーの共催となり、2019年には日本ツアーも加わった3ツアー共催へと発展した。そして2026年の今年、日本と韓国による日韓共催という新たな形でスタートを切った。

 大会統括ディレクターを務めるシンハンフィナンシャルグループのド・サムエル氏は、海外ツアーと共催する目的を「グローバルを目指しているから」と語る。ギャラリーが増えるなど大会が盛り上がる効果に加え、「優勝すれば韓国の選手でも日本ツアーの出場権を得ることができる」と、選手にとって新たな挑戦の扉が開かれることも大きいと話す。1試合の優勝を通じて複数のツアーへ挑戦できることが、選手が世界へ羽ばたくための架け橋になっているのだ。

 さらにド氏が最も大きな効果として挙げたのは、プレーヤー同士が刺激し合うことで競技レベルが向上することだ。「一番の効果は、プレーヤーのレベル向上と、それに伴う緊張感。日本の選手は技術的な土台が非常にしっかりしており、選手層も厚い。素晴らしいプレーを見せてくれることが韓国人選手にも刺激を与えている。良い意味での緊張感がコース全体に満ちていて、この高いレベルでの競争こそが共催の最大の効果だと思う」とド氏は話す。

会場となったジャックニクラウスゴルフクラブは池が絡むホールが多く難易度は高い 【北村収】

国際試合に強い意欲を持つ韓国人選手

 韓国人選手たちにとっても、「Shinhan Donghae Open」は特別な舞台だ。日韓の選手が競い合う意義を感じると同時に、世界へ向けて自らの力を測る場とも捉えている。

 開幕前の韓国人選手の声を紹介しよう。チャン・ユビンはこの大会について、「韓国ツアーと日本ツアーの選手たちがともに競う、日韓戦という意味合いもあるので、優勝への意欲は大きい」と語った。

開幕前の言葉通り優勝争いを展開し、惜しくも2位タイで競技を終えたチャン・ユビン(初日終了後の会見で撮影) 【北村収】

 また、2021年の日本プロゴルフ選手権で優勝したキム・ソンヒョンは、「今回の大会は、さまざまな国を代表する選手たちが出場するだけに、愛知県で開催されるアジア大会を前に自分の実力を確認できる良い機会だと思っています」とコメント。9月30日から愛知県の春日井カントリークラブで開催されるアジア競技大会も見据えながら、大会に臨む意気込みを述べた。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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