大逆転、天王山、最終戦決着――パ・リーグを彩った「伝説の優勝争い」
天王山で飛び出したブライアントの4連発! 近鉄が前年の雪辱晴らす(1989年)
10月10日から行われる首位西武との3連戦を迎えるまで、近鉄は1ゲーム差の2位。1試合でも敗れれば優勝が厳しくなる状況で迎えた初戦を近鉄がものにすると、翌日の第2戦が雨天中止。12日がダブルヘッダーとなった。
ダブルヘッダー1試合目は、序盤から西武が4点をリードする展開。しかし近鉄も4回に主砲ラルフ・ブライアントの46号で1点を返すと、西武に1点を追加されて迎えた6回、ブライアントの満塁ホームランで5-5の同点に追いつく。ドラマが待っていたのは8回だった。マウンド上には先発の郭泰源をリリーフした渡辺久信。バッターボックスにはここまで二打席連続ホームランのブライアント。ブライアントは来日してからの2シーズン、渡辺との対戦打率は.205で14三振、ホームランは0本と大の苦手としていた。
しかし、カウント1ボール2ストライクからの4球目、高めの速球を振り抜くと、ブライアントは打った瞬間に両手を上げてガッツポーズ。打球はライトスタンドポール際に飛び込む、特大の48号アーチとなった。
崖っぷちの近鉄が、主砲の全6点を叩き出す活躍で逆転勝利。直後に行われたダブルヘッダー2試合目でも、ブライアントは第一打席を敬遠で歩かされた後の第二打席に勝ち越しの49号ソロ。ブライアントの4打数連続本塁打を合図に打線が大爆発。大量14点を奪う大勝で近鉄が3連勝して首位を奪取。優勝マジック2を点灯させた。
翌日、ゲーム差無しの2位オリックスが敗れたことによりマジックが1となった近鉄は、本拠地、藤井寺球場で行われたシーズン129試合目のダイエー戦に勝利。優勝を逃した前年「10.19」の雪辱を晴らす、9年ぶり3度目のリーグ優勝だった。
事実上の「優勝決定戦」制し、ソフトバンクがマジック点灯せずに優勝(2014年)
迎えた10月2日、ヤフオクドームでの直接対決。この試合がシーズン最終戦となるソフトバンクは勝てば3年ぶりのリーグ優勝。2位のオリックスはこの試合に勝ち、尚且つ残り2試合に連敗さえしなければ18年ぶりのリーグ優勝が決まるという大一番。
事実上の「優勝決定戦」ともいえる一戦は、白熱の展開となり勝負は延長戦へ。迎えた10回裏、一死満塁から松田宣浩が比嘉幹貴のカウント1-2からの4球目を左中間にサヨナラ打。ソフトバンクが2011年以来3年ぶり16度目のリーグ優勝を決めた。マジックナンバーが点灯せずに優勝したのは1992年のヤクルト以来22年ぶりの珍事となった。
最大11.5ゲーム差を逆転!最後は大谷が完封で決めた、日本ハム4年ぶりV(2016年)
ソフトバンクとの一騎討ちとなった日本ハムは、ゲーム差0で迎えた9月21日からの直接対決に2連勝。優勝へのマジックナンバー6を点灯させた。
マジック1とした日本ハムは、9月28日の西武戦に大谷翔平が先発。大谷は西武打線を被安打1、15奪三振の完封。1-0で勝利した日本ハムが2012年以来4年ぶり7度目のリーグ優勝を達成した。最大11.5ゲーム差を逆転しての優勝はパ・リーグ歴代2位の記録となった。