新たな4年が始まった男子カーリング界 強さを見せた王者、下剋上チームも出現か!?
日本選手権王者と3位の若手は兄弟チーム、今夏は上々の滑り出し
強さと仕上がりの早さを見せたのは、日本選手権王者のSC軽井沢クラブ(Yamaguchi)だ。
初戦のどうぎんクラシックは決勝でロコ・ドラーゴ(Maeda)に敗れたが、続く2戦目の稚内みどりチャレンジカップでは6戦全勝で“みどチャレ”初優勝を果たした。
小泉聡ー山本遵ー山口剛史ー栁澤李空のラインナップは円熟味すら出てきた感があるが、そこに今季は昨季までナショナルコーチとして共闘してきたボブ・アーセルがクラブコーチとして加わり戦術支援をする。アーセルコーチを交えたミーティングでコミュニケーションの深さやプレーの精度を高め、世界へ再挑戦する構えだ。
「世界ランキングトップ10に安定して入り、グランドスラムに出場し、そこで強豪と互角に戦えるところまで持っていきたい」とスキップの山口は今季を位置付ける。
北海道ツアー3戦のアドヴィックスカップは回避し、一足先に帰軽。17日にホームリンクで開幕する軽井沢国際でライバルを迎えてから渡航し、結果次第では最長で2ヶ月半、6-8大会に出場するカナダでの強化合宿を敢行する。
また、昨季のジュニア王者でありながら日本選手権で3位に入ったSC軽井沢クラブJr.(Fujii)も札幌と稚内の2大会に参戦した。
スキップの藤井海斗は「十人十色みたいな、それぞれ個性があって、それぞれ得意なショットがある」とチームの良さについて語ってくれたが、その言葉通り、ポジションごとに得意なショットをしっかり決めて、稚内では見事にクオリファイを果たした。
今季は日本代表として来年2月の世界ジュニア選手権に出場するため、日本選手権(横浜BUNTAI)への出場は見送ることになったが、来季以降について「チャンスがあればしっかり出て、日本のトップに置いていかれないように」と藤井は謙虚に語った。
また、藤井は昨季、2025年から始まった世界ジュニアミックスダブルス選手権に札幌国際大学の三浦由唯菜と出場し見事に金メダルに輝いているが、「日本の男子はまだ(世界ジュニアで)金メダルを獲っていないので、このチームで一番乗りを目指したい」と2つ目のジュニアタイトルをメダルを目指す。
この夏2勝のドラーゴ、安定のコンサドーレ
ラウンドロビンの最終戦から復帰し「大丈夫ですけれど万全かと聞かれたら、そうは言えないです」と前田拓海は慎重に語ったが、4人が揃った残り3戦では1度もリードを許すことない磐石の戦いでホームリンクで嬉しい初優勝。特にMVPに輝いたリードの所岳澄は安定したセットアップを見せ、チームの身上である攻撃カーリングを支えた。
前田拓海の負傷は今回は大事には至らなかったが、平均年齢24歳とまだ若手の部類ではあるロコ・ドラーゴもキャリアとしては国内ではトップクラス。加えて昨年は新設されたU-25のグランドスラムで初代王者になるなど、もはや次世代ではなく今季から世界の頂点を狙っていいポテンシャルを秘めたチームだ。
だからこそ、日々のトレーニングやウォーミングアップから目的を明確にし、より真摯に取り組むべきだろう。幸い彼らには身近にロコ・ソラーレの鈴木夕湖や吉田夕梨花らハードワークを何年もこなしながら結果を出してきた良い手本がいる。今季は特にソラーレのお姉さんたちとの合同トレーニングも多く、彼女らから学んで怪我の功名としてほしい。今季は既に2勝。そろそろ頂点を奪っていい頃だ。
日本選手権4位のコンサドーレも3大会にフル参加しいずれも最終戦のアイスに立っていた。
スキップの阿部晋也は「4位、2位、3位か……」と少し間を置いた後「残念ではあったけれど、ミスが出ても致命傷にはならなかった。勝ちパターンは作れているので、あとはそこでどう勝つか完成度を高めていきたい」とコメント。全大会の予選、のべ11試合負けなしで1位のクオリファイ(プレーオフ進出)するなどパフォーマンスは落ちなかった。
阿部は昨年途中から加入した中原亜星にも触れ「亜星が入って迎える最初のフルシーズンになるので、全員アイスに乗りながらしっかりチームの輪郭を作っていきたい」と前を向いた。チームは中原がフィフスとしてスポット参加した2024年から、世界選手権には出ていない。かつてはアジア制覇も果たした赤黒軍団の世界挑戦を見たいファンは多い。