底知れない町田の攻撃力と選手層 小川航基と豪代表FWの“共演”から見えたもの
リーグ戦の序盤は、どのクラブにも「試しながら、連携を作りながら戦う」状況がある。2026/27シーズンの夏の登録期間(ウィンドウ)は9月16日まで残っていて、9月に入っても毎日のように選手の移籍情報が入ってくる。監督や戦術を変えるチームも、そろそろ出てくるだろう。
町田も8月末にDF中山雄太がレッドスター・ベオグラード(セルビア)への移籍を決め、チームを離れた。逆に日本代表FWの小川航基が第3節終了後に加入し、第4節からはリーグ戦に出場している。またオランダ人DFトーマス・アウエヤンも9月に入ってチームへ合流した。つまり好調とはいえ町田の「完成形」がどうなるかはまだ分からない。とはいえ今季の彼らがなかなか奥の深い、魅力的なスタイルを築きつつあることは見て取れる。
日豪代表FWの共演が実現
イェンギは197センチ、小川は186センチと大柄で、どちらもセンターFWタイプ。念のため説明するとイェンギはオーストラリア代表として、小川は日本代表として先日のワールドカップ北中米大会に出場している。
町田の基本布陣は[3-4-2-1]だが、二人の能力を考えると、どちらかがベンチを暖めるのはもったいなくも思える。実際に名古屋戦はイェンギが66分に投入されると、小川が85分にミッチェル・デュークと交代するまで二人の共演が初めて実現した。
試合後の記者会見で、黒田剛監督はこう語っていた。
「リスタートも含めて攻守で高さを担保したかったし、テテのキープ力を持ちながら、小川が前向きでサポートしていく、クロスに対して小川も入っていけるほうが相手に脅威を与えられると思いました。その時間を小川が体力的に続く範囲でやっていくことを考えました」
イェンギが投入された時点で、スコアは1-1だった。75分の勝ち越しゴールに二人は直接絡んでいないが、彼らを併用した「19分間」の町田は間違いなく攻勢を強めていた。
連携、コンディションに向上の余地あり
「あれだけ(特徴が)ハッキリしている選手なので、こちらとしては分かりやすいです。チームがどうプレーするのかもみんなに共有されるし、動きを合わせやすかった。クロス(への飛び込み)で迫力を持てる選手が二人いるので、相手にとっても嫌なコンビなのかなと思います。自分が一個下になる、2トップになることもできるし、コンビネーションがもっと増えていく手応えは感じます」
イェンギはヘディング、クロスの合わせに強みを持ち、献身的にボールを追えるタイプ。さらに町田加入後の7カ月で「DFを背負ってキープをする」「動き出している仲間にパスを配る」プレーが向上している。小川はテテと組むことで使われる側になり、フィニッシュの強みをより引き出せる可能性がある。
名古屋戦を見ると、勝ち越したあとの町田は相馬勇紀が左サイドに引いて2トップ的に並ぶ時間帯が多かった。町田は流動的に立ち位置を入れ替えるチームだが、相馬を2列目に置いた[5-3-2]もオプションとしてあり得るだろう。
とはいえ、加入から10日足らずでチームの連携が完成するはずはない。名古屋戦後の小川も、このように「もっとやれる」というニュアンスのコメントが多かった。
「前進するって意味で、僕が今までやってきたタイミングとはズレるところが正直あった。そういったものをいち早く察知して、味方と合わせなければいけない。味方に要求しつつ、僕もそのペースに合わせていけたらなと思います」
自身のコンディションについても同様だ。小川は前所属のNECナイメヘンで出場したトレーニングマッチ出場中に顔面を2カ所骨折し、いまもフェイスガードを装着して出場している。彼はこう述べている。
「久しぶりに45分以上プレーしました。怪我をしていましたし、コンディション的にはこれからもっと上がっていきます。その初戦という意味で、もっとやれたところもあったけれど、下を向く必要もない。ここからもっと上げていけると思います」