生粋のアスリート・島田麻央の挑み続ける姿勢 ロシア勢の4回転ルッツ「見ていたら『できそうだな』と」
「とにかく、どんどん挑戦」試合を楽しむ島田
木下グループ杯には、ロシア出身のスケーターが個人の中立選手(AIN)として出場した。2022年北京五輪後、ロシアがウクライナに侵攻したことを受け、ロシア勢は国際大会から除外されてきた。だが2026年ミラノ・コルティナ五輪にはAINとしての参加が認められ、今季から通常の国際大会に復帰。昨季までの実績がないロシア勢は招待制のグランプリシリーズにはエントリーしていないが、チャレンジャーシリーズの今大会には参加することになった。
島田のジュニア時代は、ロシア勢が国際大会から除外されていた時期とほぼ重なっている。今季がシニアデビューシーズンとなる島田にとってシニア初の国際大会が、いきなり強豪のロシア勢と競う場となった。真の強者にこそ試練は訪れると言いたくなるような巡り合わせではある。
しかし大会前日の3日、公式練習後に取材に応じた島田は明るい表情で、楽しそうな様子だった。練習では、大技のトリプルアクセルや4回転トウループを着氷。シニア国際大会のデビュー戦に対する緊張感を問われると、「今は、あまり緊張感はなくて」と答えた。
「とにかく、どんどん挑戦していって、『楽しもう』という気持ちの方が大きいです」
この日のリンクでは、日本勢の前のグループで、アレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トゥルソワ。2022年北京五輪銀メダリスト)らロシア勢が練習していた。結婚・出産を経て今季から復帰したイグナトワは、北京五輪でも武器としていた高難度ジャンプ・4回転ルッツを取り戻している。
島田は「(女子の)4回転ルッツは生で見たことがなかったので」と弾んだ口調で述べた。
「それを見られてすごく嬉しかったですし、それを見ると『自分も(4回転の種類は)トウループだけど、しっかり跳ぼう』と気合いが入った」
「挑戦して、笑顔で終われたらいいなと思います」
得意のスピンに見いだした課題
完璧にも見えた演技だったが、採点表では、トリプルアクセルに4分の1回転不足を示す“q“がついた。さらに最後のスピンのレベルは最高の“4”の一つ下となる“3”で、減点を示す“V“もついている。ただスピンの完成度の高さは、すべてのジャッジが出来栄え点で最高の“5”をつけた事実が物語っていた。
78.84というスコアで2位発進した島田は、「1番滑走ですごく緊張したんですけど、その中でもいい演技をして、そして楽しんで滑れたので、すごく良かったかなと思います」とショートを振り返った。ただ、課題についても冷静に言及している。
「(トリプル)アクセルは回ったかなと思ったんですけど、“q“判定。最後のスピンもまだ原因が分からないんですけど、“3”でレベルを落としてしまっていた。『練習してきていたけど、何故落としちゃったのかな』というのは、今思うところです」
「国際大会で(ショート)80点を目指していきたいので、そのために何が必要か。やっぱり、スピンはすごく得意としていて自信を持って練習してきたので、そこをとりこぼしてしまったというのがすごく悔しいです」