三井寺眞、大関友翔… 『MUFG THE国立DAY』で活躍が期待される若手選手を総チェック!

土屋雅史

大関など将来有望な選手が集うU-21世代。国立競技場で躍動するのは果たして… 【(C)J.LEAGUE】

 シーズンを移⾏した明治安⽥Jリーグも開幕から1カ⽉が過ぎようとしている。Jリーグではシーズンを通じて『MUFG THE国立DAY』と題し、MUFGスタジアム(国立競技場)での開催を実施しているが、今回は10月〜12月に開催される4試合、登場する7クラブのU-21世代の若手選手を分析。9月16日に初戦を迎えるアジア大会日本代表にも多くの選手が選ばれているが、彼らの特徴を元日本代表で現在は流通経済大付属柏高のGKコーチを務める南雄太氏、ライターでユース世代に詳しい土屋雅史氏が対談で紹介する。

『MUFG THE国立DAY』を戦うU-21年代の注目選手は…?

土屋雅史氏(左)と南雄太氏(右)が対談 【スポーツナビ】

土屋 今回はU-21日本代表が参加するアジア大会開幕のタイミングということで、10月から12月にかけて『MUFG THE国立DAY』を戦うクラブのU-21年代の選手について、いろいろとお話しできればと思っています。南さんは流通経済大柏高校のGKコーチをされているので、各クラブに高円宮杯プレミアリーグで対戦した選手がいますね。

南 はい。この世代の選手がオリンピックでさらにステップアップして、次のワールドカップのメンバーに入っていくことで、日本サッカーが活性化すると思うので、頑張ってほしい世代です。

土屋 国⽴競技場(現MUFGスタジアム)といえば、南さんは選⼿として⾼校選⼿権で優勝されていますし、ここ2年はコーチとして新しい国立もベンチで経験されていますが、あの場所でプレーすることに対しては、どういう想いがありますか?

南 高校時代は陸上トラックがあるのに、いい意味で圧迫感があって、すごいスタジアムだなと思った印象は強く残っています。ピッチに立った時は、「ああ、本当に国立なんだ」というようなフワフワした感じがありましたね。今は改修されて近代的なスタジアムになりましたけど、やっぱり不思議な力が湧いてくる特別な場所だと思います。

■10月21日 横浜F・マリノス×東京ヴェルディ

U-21世代での注目選手の筆頭と言える三井寺 【(C)J.LEAGUE】


土屋 まず、10月21日には『MUFG THE国立DAY』として、横浜F・マリノス対東京ヴェルディが開催されます。F・マリノスでは三井寺眞に触れないわけにはいかないでしょう。

南 16歳ぐらいだと技術的に通用しても、フィジカルのところで大人とは圧倒的に差が出るものです。でも、その差がまったくないので、そもそものアスリート能力の高さが土台にあって、そこに技術がちゃんと乗っているからこそ、あれだけやれるのだと思います。

土屋 開幕戦の鹿島戦のヒールリフトももちろんすごかったですけど、その後に植田直通と正対しながら、少しタイミングをずらして天野(純)に出したパスも抜群でしたね。

南 神戸戦でも少し遠い位置にボールが飛んだのに、体を流しながらボレーで逆サイドに持ってきたゴールはしびれましたね。空間認知能力もものすごく高いですし、無理な体勢でも自分の体をうまく動かせる能力を持っているんだろうなと。ルーキーのインパクトという意味では小野伸二レベルじゃないですか。

土屋 僕は関富貫太に注目しています。左利きのサイドバックで、本来はまだ大学3年生の年齢。桐蔭横浜大から2年前倒しでプロ入りしています。

南 日体大柏高校出身なんですね。

土屋 もともと中学時代は神奈川県4部リーグのチームにいて、たまたま受けに行った日体大柏のセレクションに合格したんですけど、その日体大柏と提携している柏レイソルのU-18へ高1の冬に転籍したんですよ。

南 でも、柏のトップには上がっていないということですか。

土屋 高3の途中まではサイドハーフをやっていて、当時の藤田優人監督に左サイドバックへコンバートされてから、一気にキャリアが開けたイメージです。左足という絶対的な武器があるので、今後に期待したい選手ですね。他にも浅田大翔はいろいろなことができるFWで、U-17ワールドカップも経験していますし、間違いなくこれから飛躍していくと思います。南さんはヴェルディのユースと、昨シーズンのプレミアリーグで対戦していますね。

南 そうですね。仲山獅恩は技術があって、負けん気も強くて、ヴェルディっぽい選手だなと感じましたし、山本丈偉もあのサイズがあって、ボールもちゃんと蹴れる選手で、これからが楽しみです。あとは、やっぱり大藤(颯太)ですね。

土屋 去年まで流経柏でプレーしていたFWですね。『U-21 Jリーグ』の開幕戦にも出ていましたけど、試合勘が失われているように見えました。

南 大藤は190センチぐらいあるんですけど、どちらかと言うとムービングタイプで、一番の魅力はすごくコンパクトに、強いシュートを打てるところです。今後はどうやってそこまで持っていくかが課題でしょう。

土屋 同じFWでは白井亮丞も面白いと思います。185センチの長身で、ユースの時はかなり点を取っていましたけど、今はシャドーで使われることが多い印象です。このチームのFWは神田奏真も含めて、染野(唯月)という壁を超えていかないと、なかなかゲームに出られないですね。静岡学園の後輩に当たるGKの中村圭佑はどんな印象ですか?

南 総合力が高いイメージです。そつなくいろいろなことができますし、サイズが大きい割には体も動かせますよね。マテウスがいるので、なかなか試合に出るのは難しいですけど、そういう選手からいいものを盗んで、早くJ1にも出てきてほしいなと思います。

土屋 年代別代表でもよく一緒になっている中村と小林将天(松本)は、FC東京U-15むさしの同期なんですよ。小林はそのままU-18に上がって、中村は静岡学園に行ったんですけど、この2人はすごく仲が良くて、親友でありライバルみたいな関係です。

南 そこは1つしかポジションのないキーパーの宿命ですよね。後輩なので中村には頑張ってほしいです。

■11月8日 ヴィッセル神戸×浦和レッズ

左足の高い技術とシュートのパンチ力、プレービジョンを兼ね備えている濱﨑 【©VISSEL KOBE】

土屋 11月8日の『MUFG THE国立DAY』では、ヴィッセル神戸と浦和レッズが対戦します。神戸で気になる選手はいますか?

南 神戸は僕の大宮アルディージャ時代(現RB大宮アルディージャ)のGKコーチだった松本拓也がいるのですが、ウボングリチャードマンデーは相当いいと聞いています。前川(黛也)がいて、権田(修一)も新井(章太)もいて、なかなか簡単にJ1には出られないと思うんですけど、『U-21 Jリーグ』ができることで経験を積めると思うので、今後が楽しみです。他にも濱﨑(健斗)はよくいい選手として名前が挙がりますよね。

土屋 左足の高い技術とシュートのパンチ力、プレービジョンを兼ね備えているタイプです。去年のプレミアの優勝が懸かった試合でも、濱﨑の90+5分と90+11分の連続ゴールで逆転勝ちしました。今季のトップ昇格組だと渡辺隼斗もいい選手ですね。左利きのストライカーで得点力があって、クリスチャン・ビエリみたいな雰囲気があります。あとは、特別指定選手の岩本悠庵も一昨年まで神戸のU-18でプレーしていました。

南 この間のセレッソ大阪戦にスタメンで出ていた選手ですか?

土屋 そうです。まだ中京大の2年生なんですけど、基本技術も高くて、全体のバランスも取れて、長短のパスも出せると。中盤のアンカーを任されていましたが、U-18時代と同じ雰囲気で、Jリーグでも淡々とプレーしていました。これからかなり注目されていく気がします。

南 神戸も去年はプレミアWESTで優勝しましたし、良い選手がアカデミーから出てきていますね。

土屋 セレッソ戦ではまだ高3の川端彪英という、プレミアWESTの得点ランキングトップの選手もJ1デビューしましたし、神戸は若手の育成がうまくいっていると思います。一方の浦和では、南さんが去年のプレミアで対戦した田中義峯と和田武士が、もう高校生のうちにプロ契約を結んでいます。

南 流経柏にいた和田哲平(流通経済大)の弟が武士なので、流経柏のスタッフは「なんでウチに来ないんだ」と言っていました(笑)。先日、プリンス(リーグ関東1部)で対戦した時は、ちょうど代表活動から帰ってきた後でしたけど、ボールを持てますし、スルーパスも出せますし、明らかに違いを見せていました。

土屋 今年の高2の世代は長南開史(柏)や北原槙(藤枝MYFC)を筆頭に、中3でプレミアデビューした選手が多いんですけど、和田は去年の夏ぐらいに一気に伸びて、U-17ワールドカップも主力で出て、プロ契約まで行ってしまいました。1年間での成長度がすごかったです。

南 最近の浦和では笹(修大)や植木(颯)、根本(健太)も試合に出ていますし、少し前では考えられないぐらい若手を頑張って使おうとしているなという、クラブとしての姿勢を感じます。

土屋 笹は開幕戦に出ていましたけど、去年も今治でルーキーイヤーからJ2で28試合に出て、百年構想リーグは左サイドバックや3バックの右センターバックもそつなくこなしているなと思ったら、浦和に移籍していました(笑)。

南 ガンバ戦を映像で見ましたけど、普通にやっていました。体が強いですね。

土屋 まだ20歳になったばかりなのに、フィジカルで見劣りしないですし、空中戦も強くて戦えるという、曺(貴裁)監督が好きなタイプだと思います。

南 プロ2年目で浦和に行って、いきなりスタメンで出ているのはすごいですよね。 これからの成長も見守っていきたいです。

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著者プロフィール

1979年8月18日生まれ、群馬県出身。高崎高3年時にインターハイでベスト8に入り、大会優秀選手に選出される。2003年に株式会社ジェイ・スポーツへ入社。サッカー情報番組『Foot!』やJリーグ中継のディレクター、プロデューサーを務めた。21年にジェイ・スポーツを退社し、フリーに。現在もJリーグや高校サッカーを中心に、精力的に取材活動を続けている。近著に『高校サッカー 新時代を戦う監督たち』(東洋館出版社)がある。

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