八木の“幻のホームラン”、落合監督の退任発表、村上の初打席初本塁打…忘れられない9月の出来事&思い出8選(セ・リーグ編)

Timely!編集部

長嶋監督にとって最後のリーグ優勝はサヨナラ勝ち。ド派手な形だった 【写真は共同】

 ペナントレースがいよいよ佳境を迎える9月。優勝争いの行方を左右する一戦、大記録が生まれた瞬間、ファンの記憶に深く刻まれたドラマ――。9月のプロ野球ではこれまで、後世語り継がれるさまざまな出来事が起きてきた。そこで今回は、平成の約30年の歴史の中から特に印象深い、セ・リーグの8つの出来事を振り返ってみたい。

大けがから復帰の吉村がリーグ連覇を決めるサヨナラ弾|平成2年(1990年)9月8日

 優勝マジックを2として、本拠地東京ドームにヤクルトを迎えていた巨人。試合は2-2で延長戦に突入していた。マジック対象の広島が先に敗れたため、巨人が勝てばそのままリーグ優勝が決まる10回裏。一死走者なしで左バッターボックスには吉村禎章。吉村は2年前の7月に『左ひざ外側じん帯断裂』という選手生命が危ぶまれる大けがを負い、前年9月に奇跡の復活を果たしていた。

 ヤクルトのマウンドには2年目の川崎憲次郎。その3球目、142キロのストレートを叩くと、打球は右翼スタンドに一直線に伸びた。セ・リーグ史上初(当時)、サヨナラアーチで優勝が決定する劇的な幕切れとなった。

 ファンの大歓声を噛みしめるように、こぶしを突き上げながらダイヤモンドを回る吉村。そんな吉村を、ホームベースで真っ先に両手を広げて迎えたのは、苦しいリハビリ生活を見守ってきた指揮官の藤田元司だった。吉村はこの年、カムバック賞を受賞している。

“幻のホームラン”巡り試合中断。史上最長6時間26分の延長引き分け|平成4年(1992年)9月11日

 86年の3位を最後に、4度の最下位を含む5年連続Bクラスに低迷していた阪神。だがこの年は、シーズン終盤まで優勝争いを演じていた。

 首位ヤクルトをゲーム差1で追う阪神は、3-3で迎えた9回裏、二死一塁から八木裕が左翼へライナーを放った。打球はレフト城友博の頭を越えてスタンドに入ったように見えた。この打球を、二塁塁審の平光清は本塁打と判定。甲子園球場は興奮のるつぼと化し、ファンは八木の一打に酔いしれた。

 だが「打球がフェンスに当たってスタンドに入った!」とヤクルト側が審判に猛然と抗議。グラウンドではお立ち台の準備が進んでいたが、ヤクルトの抗議が受け入れられ、歓喜のサヨナラ本塁打が一転して二塁打に訂正された。

 そんな判定を受け入れられるはずがない阪神側も、中村勝広監督が抗議し、試合が約37分中断。それでも判定は覆らず、試合は続行された。

 試合は延長15回の末に決着がつかず3-3の引き分けで終了。試合時間はプロ野球史上最長の6時間26分となった。

ド派手に決めた、長嶋監督最後のリーグ優勝|平成12年(2000年)9月24日

 巨人が優勝マジック1で迎えた対中日27回戦。この日の巨人打線は相手先発の前田幸長に抑えられ、0-4で9回裏を迎えていた。マウンドにはリリーフエースのギャラード。東京ドームに漂う敗戦ムード。だが、そこから劇的なドラマが待っていた。

 先頭の元木大介、続く高橋由伸、松井秀喜の3連打であっという間に無死満塁のチャンスを作ると、一死後に6番の江藤智がレフトへ満塁弾。巨人が土壇場で4-4の同点に追いついた。

 球場の興奮とざわつきが収まらぬうちに、続く二岡智宏がギャラードの投じた2球目、外角高めのスライダーを捉える。打球はライトスタンドに突き刺さり、5-4でサヨナラ勝ち。巨人が4年ぶり29度目のセ・リーグ優勝をド派手な形で決めた。なお、この優勝が、結果的に長嶋茂雄監督にとって最後のリーグ優勝となった。

“闘将”率いる阪神が18年ぶりのリーグV|平成15年(2003年)9月15日

18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神。背番号77をつけた星野監督が甲子園の夜空に舞った 【写真は共同】

 優勝マジックを2としていた阪神は、甲子園球場で広島とデーゲーム。2-2の同点で迎えた9回裏、一死満塁のチャンスに赤星憲広が右越えのサヨナラタイムリー。マジックを「1」として、マジック対象のヤクルトの試合結果を待った。

 そして午後7時33分、ヤクルトが横浜に敗れると阪神の18年ぶりのリーグ優勝が決定した。吉報を待ちわびたスタンドからは無数のジェット風船が舞い上がり、ベンチで待機していた阪神ナインが勢いよくマウンドに駆け出した。

 星野仙一監督の胴上げが始まり、背番号77が甲子園の夜空に舞った。優勝監督インタビューでの、星野監督の第一声「ああ、しんどかった」は、今も多くの阪神ファンの耳に残っている。

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