発達障害の人はなぜ「自分勝手」に見えてしまう?“他者視点がない”と誤解される理由

MELOS -メロス-
ASD(自閉スペクトラム症)の人はしばしば「自分の話ばかりする」「人の気持ちが分からない」と言われることがあります。

しかし、ASDの人は他者への関心や思いやりが欠けているわけではありません。多くの場合、情報の受け取り方や伝え方に、生まれつきの特性による違いがあるだけなのです。

その違いが、周囲からは「自己中心的」に見えてしまうことがあります。神谷町カリスメンタルクリニック院長・松澤 美愛先生監修のもとお届けします。

【MELOS】

ASDの人は「他者視点がない」と言われるのはなぜ?

「他者視点がない」という言葉は、心理学でいう「心の理論」という考え方と関係しています。心の理論とは、相手の気持ちや考えを推測する力のことです。

過去の研究では、ASDの人はこの力に特有の特徴があるとされてきました。相手が何を考えているかを直感的に読み取ることが苦手な場合があり、この特徴が「他者視点がない」という表現につながっていると考えられます。

ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。それは、「相手の気持ちを考えられない」ことと、「相手を思いやる気持ちがない」ことは、まったく別だという点です。

相手を大切に思う気持ちは高い
ASDの人の多くは、相手を大切に思う気持ちを強く持っています。ただ、その気持ちを察したり、表現したりする方法が、多数派の人とは異なるだけなのです。

近年の研究では、この認識にも見直しが進んでいます。すれ違いはASDの人だけの問題ではなく、特性の異なる者同士がコミュニケーションを取るときに、双方の側で理解のズレが生まれやすいという考え方が注目されています。

つまり「ASDの人が一方的に他者視点を欠いている」というより、「お互いの前提が違うために、うまく伝わらない」と捉えるほうが実態に近いといえます。

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