数値では測れないキケ・ヘルナンデスの存在価値 WS3連覇を目指すドジャースにキケがもたらすもの
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久々にポケモンカードを買って…
さかのぼることおよそ1年。ドジャースにとって昨季最後の遠征地はシアトルだった。アリゾナで行われた直前のシリーズで地区優勝を決め、選手らはシアトルでかなりリラックスモード。
今年のキャンプ直前にツインズへトレードされたアンソニー・バンダが、シアトル郊外のベルビューという街にあるポケモン米国本社に家族と一緒に行きたいというのでアレンジし、当日、オフィスの一階で待っていると、バンダ家族の他、ウィル・クライン、ジャック・ドライヤー、キケの計6人が大型SUVから降りてきた。
クラインとドライヤーが一緒に来ると聞いていたが、キケが一緒に来ることも、そもそもポケモンを好きかどうかも知らなかった。
ポケモンへ行くときは、いつも直前で人数が増えるが、「3月、開幕戦で日本へ行ったとき、ポケモン本社に行ったのに」と伝えると、「あのときは、特に興味がなかった」とキケは苦笑した。
「夏に左肘を痛めてILに入っただろ? あのとき、暇だったから、子どものときに集めていたポケモンカードを久々に買ったら、そのままハマってしまった」
彼とは、そのときをきっかけにいろんな話をするようになった。オフにもインタビューをさせてもらった。謝礼は、ポケモンカードだった。
それまでは、とっつきにくく、なかなか本音を言わない、という印象。試合後の取材でも、囲まれれば話すものの、のらりくらりで、まともに答えようとしない。そんな映像を見たことがある人もいるかもしれない。
見た目からは想像できないキケのギャップ
2年前の地区シリーズ。山本はパドレスとの初戦に先発したが、初回に3点を取られるなど、3回、5失点で降板した。その後、チームはサンディエゴへ移動。2勝2敗としてホームに戻ってくると、山本が第5戦で快投し、ドジャースはリーグ優勝決定戦へコマを進めている。
実は、サンディエゴでキケは山本を誘い、2時間ほどカフェで話をしている。その経緯を聞くと、こんなことを教えてくれた。
「俺たちは同じエージェント(ワッサーマンのジョエル・ウルフ)なんだけど、ジョエルにヨシとサンディエゴで少し話をしたい、ということを伝えて、セッティングしてもらったんだ」
チームメートなんだから、顔を合わせたときに、「お茶でもしない?」と言えばいいのでは? と伝えると、キケは首を振った。
「彼には、ルーティンがある。『この後、時間があるか?』と誘えば、時間がなくても、『大丈夫だよ』って言うだろう。でも、彼の邪魔をしたくなかったから、事前に都合を聞いた上で、話をしたんだ。それなら彼も時間を調整しやすいと思って。調整するための時間も与えたかったから、代理人に頼んだ」
面倒なルートではあるが、彼は続けた。
「電話と一緒だよ。携帯だからっていきなり電話をしたら、相手はやっていることを中断しなければいけない。それよりはテキストメッセージであらかじめ要件を伝え、話す必要があるならば、時間を決める。その方が、相手に迷惑がかからない」
そんな細やかな気遣いができる人とは知らなかった。
山本が落ち込んでいることを気にかけたこともそうだが、言動や見た目のプレースタイルから判断すると、彼のことを誤解する。インタビューのときも、時間ちょうどに現れた。