今年のボールは飛ぶのか、飛ばないのか―― 今永昇太の被本塁打の何本かは不運だった?
オフェンスの程度に応じてボールを調整?
簡単に言ってしまえば、5月終わりぐらいからボールが飛ぶようになったのでは? という話だが、仮に350フィート以上のフライがどのくらいホームランになったのかを3月26日から5月23日と5月24日から7月28日に分けて比較すると、前者のHR率は43.32%。後者は47.92%で、約10%増だった。
そもそも今年、MLBが公表している抗力係数(Cd)を確認すると、ずいぶん振れ幅が大きい。
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この数値が何を意味するかだが、例えば、縫い目が高く、抗力係数の値が大きいほどボールの飛距離は落ちる。逆に、縫い目が低ければ抗力係数は小さくなり、その場合は打球が飛ぶ。
無論、抗力係数だけですべてを説明できるわけではないが、MLBによると、気象条件などが同じと仮定した場合、抗力係数が.01違うと、打球初速が100マイルの場合、飛距離が5フィート(1.52メートル)違ってくるとのこと。したがって.04という差は、飛距離にすると6.1メートルに相当する。
次に、今年の抗力係数の日別データを抽出し、変化が見られる日を境に時期を分類すると、こんな感じになった。
5月23日までは昨年とほぼ同じなので、5月終わりまでは去年の在庫を使用。使い切ってから今年のボールが登場――という捉え方ができるが、8月に入ってからまた抗力係数が上がったのはなぜか。
「6月に入って違いに気づいた」というある選手は、こう明かす。
「色々と言われ始めたからじゃないかな。(ボールを作っている)ローリングスのコスタリカ工場をMLBが買収してから、抗力係数、反発係数を調整しやすくなったという話がある。オフェンスが低調なときは、抗力係数の低いボールを多く出荷するといった具合に」
オフェンスが活発になれば、その逆もしかりということか。