前田大然が鮮烈なプレミアデビュー! 自慢の走力でサポーターのハートを鷲づかみ
8月22日(現地時間、以下同)、ホームでのサンダーランド戦。この夏、昇格チームのイプスウィッチに加入した日本の韋駄天は、そのひたむきな走りで早くも地元ファンのハートをがっちりつかんだ。
前田は「すごい」という言葉を2度も使って
そんなイングランドの1部リーグ(プレミアリーグ)は、開幕戦となれば一層緊迫した熱気と興奮が漂う。しかもそれが今季昇格組のホーム開幕戦となるとなおさらだ。
「すごく雰囲気が良かったんです。これがプレミアか、っていうことをすごく感じられた。素晴らしい雰囲気の中でサッカーができたと思います」
念願のプレミアリーグ移籍を実現して、堂々と先発出場を果たし、後半35分までの80分間を文字通り走り抜いた前田大然は試合後、「熱い声援だったね」と尋ねられると、「すごく」という言葉を2度も使い、感慨を含んだ表情で「素晴らしい雰囲気の中」と言って、サポーターの激情を背負ってピッチに立ったデビュー戦を語った。
筆者は試合前にBBC解説者のクリス・サットンが勝敗予想するコラムを読むのが楽しみで、それが習慣になっている。そこで辛口批評で知られる元イングランド代表FWが、「イプスウィッチが前田大然を獲ったのは良い補強だった。セルティックで長年プレーした彼をよく知るが、前田のインテンシティの高さは素晴らしい。プレミアリーグでも攻守で存在感を示すだろう」と書いていた。
その通りのパフォーマンスだった。
岡崎慎司に通じるひたむきな走りを披露
実際、超一流の選手たちは1つのボールを追い続ける集中力を90分間切らさない。いつでもどこでもボールに対応する態勢が整っている。すなわちそれは常にボールを意識し、スプリントができる状態にあるということだ。
そしてプレミアリーグの観客は走り続ける選手に胸を熱くする。
かつてミラクル・レスターで観客を虜にした岡崎慎司がそうだった。今季はなんと、2015-16シーズンのプレミア王者が3部落ちとなり、本当に傷心であろうレスターのサポーターは当時、2トップの一角ながら相手の最終ラインや中盤の選手にプレスをかけ、自軍のペナルティエリア内まで駆け戻り、守備陣を助けた小さな日本人センターフォワードを心底愛した。
前田はそんな岡崎に通じる、良い意味で試合を読まないひたむきな走りをデビュー戦で披露して、イプスウィッチ・ファンの愛をあっという間に勝ち取った。
それは後半35分、前田がアブドゥル・ワタラと交代してピッチを去ろうとした瞬間、観客がさざなみのように立ち上がり、新加入の日本代表FWにスタンディングオベーションを浴びせたことでも明白だった。
BBCの視聴者投票で決める採点で、前田のポイントは8.22点。これは先制点を見事にアシストしたフリオ・エンシソの8.40点に続くチーム2番目の高得点だった。