鈴木彩艶、前田大然らの参戦で一挙増加! プレミア日本人プレーヤー10人の現地評価と展望

田嶋コウスケ

前田大然(イプスウィッチ)

開幕戦は80分間プレーして2-1の勝利に貢献。上々のプレミアデビューを飾った 【Photo by Justin Setterfield/Getty Images】

 昨季チャンピオンシップで2位になって昇格したイプスウィッチにとって、プレミア残留が現実的な目標だ。指揮を執るのは、ボーンマスやウルバーハンプトンで残留争いを経験してきたギャリー・オニール監督。プレミアで生き残るために、攻守にハードワークできるチーム作りを進めている。

 セルティックから加入した前田は、そのスタイルに適した選手だ。スピードと豊富な運動量、前線からのプレス、守備への献身は、ボールを持てない時間が増える昇格チームで大きな武器になる。8月22日のサンダーランドとの開幕戦では左サイドで先発し、80分まで出場。スコットランドの強者であるセルティック時代とは異なる環境で、走力とハードワークを残留への力に変えられるか。

守田英正(ハル・シティ)

ふくらはぎの故障で開幕には間に合わなかったが、戦列復帰は近いようだ 【Photo by MB Media/Getty Images】

 昨季チャンピオンシップのプレーオフを勝ち抜いて昇格したハル・シティは、まずプレミア残留を目指す。セルゲイ・ヤキロビッチ監督の下、この夏は大掛かりな戦力補強を進め、8月22日の開幕戦でマンチェスター・ユナイテッドを2-0で破って幸先の良いスタートを切った。

 スポルティングから加入した守田には、日本代表や欧州カップ戦で培った豊富な経験に加え、優れた戦術眼と判断力を活かして中盤からチームを動かす役割が期待される。ただ、加入後は負傷で出遅れ、開幕戦もベンチ外。まずはコンディションを戻してプレミアデビューを果たし、中盤の中心として残留争いを支えたい。

坂元達裕(コベントリー・シティ)

コベントリーで4シーズン目。チーム内競争を勝ち抜き、プレミアの舞台でも輝けるか 【Photo by David Rogers/Getty Images】

 26シーズンぶりにプレミアへ復帰したコベントリー・シティは、まずは残留が大きな目標となる。チームを昇格に導いたフランク・ランパード監督が続投し、この夏は大型補強を行って戦力を底上げした。

 坂元は昨季、右サイドの主力として昇格に貢献。細かなテクニックに加え、プレーが正確、状況判断にも優れ、攻撃にリズムをもたらす。ただ、新しい選手が加わってポジション争いは昨季以上に激しくなった。開幕のアーセナル戦は体調不良で出場を見送ったが、厳しい競争を勝ち抜き、プレミアで戦う今季も定位置をつかめるか注目したい。

遠藤航(リバプール)

監督が代わったとはいえ、チーム内での自身の立場が昨季から大きく変わったわけではない 【Photo by Simon Stacpoole/Offside/Offside via Getty Images】

 プレミア屈指の強豪リバプールは、ボーンマスで評価を高めたアンドニ・イラオラ監督が今季から指揮を執り、優勝争いへの返り咲きを目指す。

 遠藤は昨季から出場機会が減り、中盤のレギュラー争いでは後退。今夏のプレシーズンでは中盤で使われず、出場した試合はいずれもCBだった。8月23日に行われたニューカッスルとの開幕戦でもベンチ入りしたものの、2-2の試合で出番はなし。現時点ではCBでも序列上位にいるとは言えず、クラブ周辺では売却の可能性も取り沙汰されている。

 33歳となったベテランをクラブが戦力としてどう位置づけているかは見えにくい。CBや守備的MFとして、出場機会をどこまで増やせるか。

高井幸大(トッテナム)

移籍1年目の昨季は公式戦出場がないまま、1月にボルシアMGにレンタルされ、ここで8試合プレーした。今夏にトッテナムに戻ったが、去就は不透明だ 【Photo by Brendon Thorne/Getty Images】

 昨季17位と大きく沈んだトッテナムは、ロベルト・デ・ゼルビ監督の下で大型補強を進め、今季は欧州カップ戦出場圏への復帰を狙う。

 高井は昨季、負傷から復帰後にボルシアMGへ期限付き移籍し、今夏にトッテナムへ戻った。プレシーズンでは実戦でのプレー機会を与えられたものの、主力の復帰やセンターバックの補強で競争は激化。開幕のブレントフォード戦はベンチ外となり、現時点でトップチームのレギュラー候補とは言えない。まだプレミアでの出場経験はなく、9月1日の移籍期限は迫りつつある。残留するのか、再びレンタルで経験を積むのか、指揮官とクラブの決断が今季の立場を大きく左右する。

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著者プロフィール

1976年生まれ。埼玉県さいたま市出身。中央大学卒。2001年より英国ロンドン在住。サッカー誌を中心に執筆と翻訳に精を出す。遅ればせながらX(旧ツイッター)の更新を24年12月から開始。

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