クリッパーズとエグジビット10契約を結んだ河村勇輝 NBAの舞台でも八村塁との“共闘”は実現するか?

杉浦大介

8月の韓国との親善試合で、久々に代表でともにプレーした河村と八村。日本バスケ界を引っ張る2人のスターが、クリッパーズでも同じコートで? 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 日本時間の8月28日に敵地でのサウジアラビア戦、同31日にホームでのカタール戦と、2027年ワールドカップのアジア地区予選(Window4)を控えるバスケットボール男子日本代表。この2試合の招集メンバーに、河村勇輝と八村塁の2大スターも名を連ねている。両雄のそろい踏みに期待が集まるが、一方で彼らの“共闘”は25-26シーズンのNBAでも実現するかもしれない。レイカーズからFAで加わった八村に続き、河村もクリッパーズとエグジビット契約を結んだのだ。渡米3年目を迎える河村の現状と可能性を、NY在住のライターが伝える。

八村とともにトレーニングキャンプに臨む

 日本代表のコートで躍動する八村塁、河村勇輝の姿を見て、日本バスケットボールの今後がさらに楽しみにになったファンも多かっただろう。

 この2人は8月15日、有明アリーナで行われた韓国代表との親善試合で、2024年のパリ五輪以降では初めてとなる“共闘”。八村が22得点、河村が12得点をマークし、88-68と20点差をつけて韓国を下す勝利に大きく貢献した。

「時間帯に応じて塁さんや自分の1対1の場面が生まれるのは、チームにとってプラスになる。アジア、世界(の戦い)になればなるほど、個で打開しないといけない時間帯も必要となってくる。そういったときにこの2人が入ることによって、(個人で打開していく)役割も増えてくるんじゃないかなと思います」

 試合後、会見に登場した河村は自身の個人技をまるで人ごとのように語っていたが、実際にNBAで腕を磨いてきた2人のスキルが日本代表の大きな武器であることは間違いない。今後、一緒にプレーし続けることによって両者のケミストリーが磨かれればと、より大きな夢も見たくなる。

 バスケファンならすでにご存知の通り、日本最高の選手である2人のプレーを、来季はNBAの同じフロアでも見ることができるかもしれない。

 ロサンゼルス・クリッパーズは8月10日、河村とエグジビット10契約で合意したことを発表した。それ以前にロサンゼルス・レイカーズからFAになった八村も、クリッパーズと2年契約を結んだばかり。両雄は同じチームのメンバーとして、少なくともトレーニングキャンプにはともに臨むことが確かになったのだ。

昨季のブルズで感じた数字以上の手応え

昨季終盤はブルズで重要な役割も任され、手応えを感じていた河村。今夏のエグジビット10契約には「一歩後退」の印象も 【Photo by Scott Taetsch/Getty Images】

 ここでは河村に絞って話を進めると、今夏に受け取ったのがエグジビット10契約というのは、本人にとって不本意だったかもしれない。

 過去に馬場雄大、渡邊雄太、富永啓生も得たことから、日本のファンの間でもおなじみになったこの契約形態は、分かりやすくいえば無保証ながらトレーニングキャンプに参加できる契約だ。開幕ロスター入りが保証されているわけではないが、アピール次第で開幕までに2ウェイ契約(NBAチームとその傘下のGリーグチームの両方でプレー)に切り替えることもできる。

 開幕前に解雇されたとしても、傘下のGリーグチームで60日間プレーすればボーナスが得られる。各チームのエグジビット10契約枠は最大6人であり、河村はそのうちの1人としてロスター入りのチャンスを窺うことになる。

 昨年は7月中旬の時点でシカゴ・ブルズと2ウェイ契約を結んでいたことを思い返せば、“一歩後退”に映らなくもないだろう。

「今の自分は試合に出ただけで合格点という立場ではない。もう2年目なので、勝利に貢献できるというところを見せないといけない。自分の中でもそこの心構えというのは、去年以上に強くなっています」

 昨季終盤、ブルズの一員としてより重要な時間帯でのプレーも任されるようになり、河村はそんなふうに力強い言葉も残していた。2年目はNBAで18試合に出場し、平均11.6分のプレーで3.4得点、2.6アシストをマークしたが、そうした数字が示す以上の手応えを感じていたのだろう。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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