週刊ドラフトレポート2026

甲子園で輝いた徳栄バッテリー! パワーピッチングが持ち味の本格派、抜群の守備力誇る強肩捕手

西尾典文

今夏の甲子園でも異彩を放った花咲徳栄の黒川凌大(左)、佐伯真聡(右)によるバッテリー 【撮影:西尾典文】

秋に行われるドラフト会議に向けて、年間400試合以上のアマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組では解説も務めるベースボールライター西尾典文さんが、有望なアマチュア選手を毎週レポートします。今回は夏の甲子園では初戦で敗れたものの、見事なパフォーマンスを見せた花咲徳栄のバッテリーを紹介します。

春の選抜から大きく成長!パワーピッチングが持ち味の本格派右腕

花咲徳栄・黒川はストレートが速くて勢いがある。スライダーも駆使して制球力も高く、プロ入りも視界良好だ 【撮影:西尾典文】

黒川凌大(花咲徳栄 3年 投手 182cm/86kg 右投/右打)

【将来像】北山亘基(日本ハム)
躍動感がさらにアップしてくれば北山のようにストレートで勝負できる投手になれる可能性も
【指名オススメ球団】DeNA
馬力のある高校卒の若い投手が不足しているチーム事情から
【現時点のドラフト評価】★★☆☆☆
支配下での指名濃厚

 夏の甲子園では49番目の登場となり、仙台育英に惜しくも敗れた花咲徳栄。ただそんなチームにあって、見事なピッチングを見せたのがエースの黒川凌大だ。栃木県の出身で中学時代は上三川ボーイズでプレーしており、夏の甲子園で好投した佐野日大の鈴木有は当時のチームメイトでもある。

 高校進学後は1年秋から投手陣の一角に定着し、2年秋の新チームからは不動のエースとして活躍。今年春の選抜でも初戦で東洋大姫路を相手に自責点1で2失点完投勝利をあげるなど、チームの準々決勝進出に大きく貢献した。夏の埼玉大会でも前評判の高かった浦和学院相手に3失点完投勝利をおさめ、チームを春夏連続の甲子園出場に導いている。

 敗れた仙台育英との試合でも6回に味方のエラーから1点は失ったものの、自責点0で完投と見事な投球を見せた。最近の投手では珍しく、大きく振りかぶって投げるスタイルで、春までは重心の上下動が目立ち、高めに浮くボールも多かったが、この夏はしっかりボールを抑え込むことができるようになった印象を受ける。

 ストレートは立ち上がりからコンスタントに145キロを超え、最速は147キロをマーク。スピードはもちろんだが、指のかかりも良く、数字以上に勢いを感じた。特に目立ったのが外角低めへのコントロールだ。1回にはスライダー、ストレート、ストレートで三者連続三振を奪って見せたが、いずれの決め球も右打者のアウトローにしっかり制球されたものだった。

 もう一つ素晴らしかったのがピンチでの粘りだ。6回には1点を先制され、なおもノーアウト一・二塁のピンチを背負ったが、その後も集中力を切らさずに後続三人を抑えた。試合終盤も球威、制球ともに大きく落ちることはなく、スタミナも十分。早くからプロ志望を表明していたが、この日の投球でさらに評価が上がったことは間違いない。支配下での指名も十分期待できそうだ。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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