八村は「4週間」で日本代表に何を残せるのか? 周囲が語るNBA組の復帰効果と期待
八村は翌日の第2試合をコンディション調整のために欠場したものの、8月15日の韓国戦で実力を存分に見せ、22得点を決めている。河村も15日に12得点6アシスト、16日は24得点3アシスト6リバウンドを記録。いわゆる「親善試合」で、お互いに選手を状態に応じて休ませながら、色々な選手を均等に試しながらの展開だったが、日本は88-68、95-66と韓国に連勝している。
制限、衝突を乗り越えて代表復帰
ただ、彼らはしばらく日本代表から遠ざかっていた。男子のW杯予選は2月、8月、11月に2試合セットで組まれる慣例だが、2月と11月はNBAやNCAA(全米大学体育協会)のシーズンと被る。慣例としてNBAとNCAAに所属する選手はシーズン中の代表戦に出ない。さらにNBA組はオフシーズンにも「28日(4週間)ルール」という、代表活動の日数を制限する選手会とリーグの取り決めがある。
NBAはレベルや強度が高いだけでなく、レギュラーシーズンだけで年間に72試合もあり、北米を広く移動する過酷なリーグだ。確かに休養は必要で、それが選手を守るための措置であることも理解する必要がある。当然ながら代表活動よりNBAの契約をつかむ、守る努力が優先されるオフもあるだろう。
それでも二人は代表に戻ってきた。まずW杯最終予選で日本を勝利に導き、27年にカタールで開催されるW杯本大会の出場に近づくため。そしてW杯で「アジア最上位」に入り、LA28(ロサンゼルス五輪)の出場権をつかむためだ。
八村は2023年のW杯を欠場している。翌年のパリ五輪は出場したが、その後「プレーヤーファーストの精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくない」と明確な批判を口にしていた。しかしそこから日本協会の会長が交替し、代表も伊藤拓摩強化委員長、桶谷大ヘッドコーチ(HC)の新体制に切り替わっている。
まず八村が代表選手としてコートに立つことが、バスケットボールに関わる者にとって興奮を誘うニュースだった。昨季までロサンゼルス・レイカーズという人気チームの主力としてしっかり実績を残し、NBA30球団、450選手の中でも上位5分の1には入るであろう「トップ選手」として日本に凱旋した。
周囲が語る八村効果
八村自身は試合をこう振り返っていた。
「バスケはチームスポーツで、その中で僕らが入った。今まで桶谷さんがやってきた、積み重ねてきたケミストリーを崩さないようにしつつ、プラスのパワーを得点力、フィジカルのところで出せたと思う」
桶谷HCは八村、河村の合流によるインパクトをこう説明する。
「チームでなかなか点が取れない時間帯に個で打開できます。結局チームとして強くなるためには、個の尖った部分がないとチーム力も上がっていかない。これくらい尖っている二人がいることで、自ずとチームの総合力も上がってくると思っています」
ジョシュ・ホーキンソンは八村効果をこう言葉にする。
「攻撃の選択肢が格段に増えたので、相手にとって守りにくいチームになったと思います。塁は1対1で守るのが非常に難しい選手ですから、彼がいることでスペースが生まれ、他の選手も得点しやすくなります。彼らがコートにいるおかげで、イージーなレイアップや3Pシュートを打つチャンスが増えました」
ホーキンソンは自身のプレーについてもこう述べる。
「毎回スクリーンをセットする、頻繁にボールに触れる必要はなくなります。自分はオフ・ザ・ボールの動きもできますし、純粋な5番(センター)の役割を担ったり、あるいは(外に開いてプレーする)ストレッチ・ビッグとしてプレーしたり、柔軟に対応できます」
ホーキンソンも八村も、オフェンスについては万能タイプ。二人の共存も楽しみだ。
シェーファーアヴィ幸樹はこんな「反省の弁」を述べていた。
「やはり塁はすごいですね。でも最初ちょっと一ファンになってしまった瞬間があって、ベンチでそれは少し良くないかなと思いました」