智辯和歌山前監督・髙嶋仁が選ぶ「高校野球歴代ベストナイン」 名将が作る最強オーダーは?
今回は、智辯学園と智辯和歌山で一時代を築き、現在は両校の名誉監督を務める髙嶋仁さんにご登場いただき、これまで見てきた高校球児の中から歴代ベストナインを選出してもらいました。ルールはただ一つ、「高校生時点での実力」で評価すること。教え子も、ライバル校の選手も関係なしのガチンコ選抜です。
※YouTube公開は2024年11月16日
「ピチッ」と音がする投手と「ルール違反」の遊撃手
髙嶋:ああ、難しいですね。僕が見た中、あるいは対戦した中でってのはやっぱり小松(辰雄)でしょうね。星稜高校の小松。中日のエースになりましたけどね。
上重:速かったですか?
髙嶋:あのね、ここの(投球時の)音が聞こえるんですよ。「ピチッ」て。ピチッて聞こえたらバーンて(ミットに)なっとるんです。うわ、こんなん打てっこないと思いました。
上重:その小松投手と対戦されたんですよね?
髙嶋:8番がね、まぐれで当たったんですよ。三塁打だった。1アウト三塁ですよ。で、9番バッターに「分かっとんのやろな」と。スクイズです。お前な、こんな早いボール、スクイズできるか?できません、そやろ、三振でいいんや、て言うて。
上重:はい(笑)。
髙嶋:1球目こんな(大きく外れて)。2球目、やっぱ相手も考えるんですね。変化球投げよった。もう振りに行ってますから、真っ直ぐだったら空振りなのに、緩かったので当たったんです。センターに抜けた。まぐれもまぐれですよ。それで2点入って、あとはもうお手上げ。全然ヒットも出えへん。それぐらい良かったですね。最終的には2-1で勝ったんです。
上重:すごい勝ち方ですね。では、キャッチャーをお願いします。
髙嶋:難しいなあ。昔、江の川ってあったでしょ。谷繁(元信)ですよ。彼と練習試合をやっとったんですよ。なんでこんなチームにこんなんおんねんて。肩はええわ、よう打つわ。うちの今の中谷(監督)も良かったですけど、はるかに上やったですね。あの印象はやっぱり抜けないですね。
飛距離が「別格」の内野陣
髙嶋:それはもう2人おります。1人は清原ですね。なんであんなとこまで飛ぶんやと。遥か彼方ですよ。
上重:もう1人は?
髙嶋:中田翔でしょうね。和歌山の球場で見たんですけど、レフトに高いネットがあるんですよ。それをまた遥か彼方に超えてくんですよね。どっかの屋根当たったみたいですけどね。この2人の飛距離は別格です。
上重:セカンドはどうでしょう?
髙嶋:セカンドはね……町田(友潤)君ですね。常葉菊川の。なんでそんな守備すんねん高校生でってやっぱ思ったんですよ。パパッとやってダブルプレー取られたんです。どついたろかな思うぐらいうまかったです。
上重:いいですね。では、サードは……。
髙嶋:いない。出てこないですよ。
上重:松井秀喜さんはサードも守っていましたけど。
髙嶋:まあ、彼はやっぱり外野でしょ。ただ、甲子園に行く前に和歌山で合宿しとったのを、それ見に行ったことあるんですよ。少しこう(体が)下がるんですね。ほんで監督何も言わないんですよ。「俺やったら直すけどな」て。そしたら、これからカーンと振るんですよ。ボールがバックスクリーンの上をぴょーんぴょーん飛んでいくんですよ。これは言わんわな、と。
上重:ははは。
髙嶋:飛んでく距離が違うんですね。その時からやっぱり世の中にはバケモンがおるなって思いました。まあ、そのバッティングというところで(サードに)入れときましょか。
上重:続いてショートはいかがでしょう?
髙嶋:それは立浪(和義)でした。
上重:PL学園の。
髙嶋:こんなん高校生ちゃいますよ。あれはルール違反です。また、かっこええね。あのスローイングは。もうね、憧れました。練習でノックを見て、「俺もこんなチームを作ろう」と思って。