高校野球界を席巻する二世選手たち 愛知でざわついた“息子リレー”、2年生“親子鷹”にも注目!

西尾典文

今夏の地方大会で輝きを放った二世選手は?

東東京大会の準決勝、帝京戦で好投し雄叫びをあげる川島連十(二松学舎大付) 【写真は共同】

 惜しくも夏の甲子園まであと一歩に迫ったのが、日本ハム、ヤクルト、ソフトバンク、楽天で17年間プレーし、現在はオリックスで一軍打撃コーチを務めている川島慶三の次男である川島連十(二松学舎大付2年・投手)だ。ちなみに長男の川島塁はボーイズグループ「STARGLOW」のメンバーとしてRUI名義で活動していることでも知られる。連十は中学時代は多摩リトルシニアでプレーしており、3年時にはリトルシニアの日本代表にも選ばれた実績を持つ。高校でも1年夏から東東京大会で登板。この夏は背番号こそ10だったが、主戦として5試合に登板。準決勝では選抜に出場した帝京を相手に3失点完投勝利をあげた。ストレートはまだ130キロ台中盤がアベレージだが、バランスの良いフォームで左投手らしいボールの角度があるのが持ち味。コーナーを突く制球力も備えている。東東京大会決勝の関東第一戦では2回途中5失点で降板となったが、貴重なサウスポーだけにスピードがアップしてくれば来年のドラフト候補となる可能性もありそうだ。

中日黄金期を支えた朝倉健太(左)と岩瀬仁紀。今夏の愛知大会で実現した2人の“息子リレー”が話題を呼んだ 【写真は共同】

 愛知で話題となったのが岩瀬晃大(東邦3年・投手)と朝倉陸(東邦2年・投手)の2人だ。岩瀬晃大の父は中日で長くリリーフとして活躍しプロ野球記録となる1002試合登板、407セーブを誇る岩瀬仁紀。朝倉陸の父は中日で先発として活躍した朝倉健太である。この夏は岩瀬が背番号19、朝倉が背番号11でともに控え投手だったが、5回戦の名古屋南との試合では6回から朝倉が3イニング、9回から岩瀬が1イニングをそれぞれ無失点に抑える継投でチームを勝利に導いた。ちなみに岩瀬晃大の兄である法樹は愛工大名電で2022年の夏の甲子園にも出場している。晃大は残念ながら甲子園出場に縁がなかったが、朝倉陸については新チームからは主戦として期待されており、甲子園出場の可能性も十分にありそうだ。

千葉大会2回戦、両親・谷佳知氏&亮子氏が見守る前で安打を放った中央学院・谷晃明 【写真は共同】

 その他にも西東京では巨人と中日で活躍し、通算533犠打の世界記録を持つ川相昌弘(現・巨人一軍ディフェンスチーフコーチ)の四男である川相俊輔(世田谷学園3年・内野手)が背番号15の控え選手ながらベンチ入り。2回戦の錦城戦では途中出場からヒットを放ち、敗れた日大三との3回戦でも代走として出場した。オリックスと巨人で活躍した谷佳知と柔道女子48キロ級で00年シドニー五輪、04年アテネ五輪金メダリストの谷亮子を両親に持つ谷晃明(中央学院2年・外野手)はこの夏の千葉大会では2番、レフトとして出場。3試合ともヒットを放つ活躍を見せた。中日でエースとして活躍した吉見一起を父に持つ吉見嶺(立命館守山2年・投手)も投手陣の一角としてこの夏はチームの準々決勝進出に貢献している。

 昔はプロ野球選手の二世選手は大成しないと言われていたが、現在は山﨑福也(日本ハム)、度会隆輝(DeNA)がチームの主力となっており、大学や社会人で活躍している選手も多い。それだけにここで取り上げた選手も、近い将来父と同じ舞台に立つことも十分に期待できそうだ。

(編集:スリーライト)

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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