高校野球界を席巻する二世選手たち 愛知でざわついた“息子リレー”、2年生“親子鷹”にも注目!

西尾典文

巨人などで活躍した古城茂幸を父に持つ花巻東・古城大翔は主将としてチームを引っ張っている 【撮影:西尾典文】

甲子園で実力を示した注目の二世選手

 甲子園では連日熱戦が続いているが、近年の高校球界で目立つのが父にプロ野球選手を持ついわゆる“二世選手”である。偉大な父を持つがゆえに、同じ競技を選んだ時点で注目度は一気に高くなることは間違いない。それでもそんなプレッシャーを力に変えて活躍している二世選手を紹介する。

 まず最も活躍を見せている選手と言えば古城大翔(花巻東3年・内野手)になるだろう。父の茂幸は日本ハムと巨人でユーティリティプレーヤーとして16年間プレーした実績を持ち、現在は巨人から派遣する形でハヤテのヘッドコーチ兼野手総合コーチを務めている。長男である大翔はロッテ、中日、巨人で活躍した前田幸長が代表を務める都筑中央ボーイズ(現・都筑中央ポニー)時代から評判となり、花巻東でも入学直後からサードのレギュラーに定着。そこから5季連続4番打者として甲子園出場を果たしているのだ。ちなみにこれは戦後ではPL学園時代の清原和博(元・西武など)以来、2人目の快挙である。その持ち味は豪快なバッティングで、昨年秋に出場した明治神宮大会では木製バットでスタンドに放り込む一発を放つと、この夏の甲子園でも初戦の新田戦でレフトオーバーのツーベースを含む2安打の活躍を見せた。守備も下級生の頃と比べて動きが良くなっており、着実に成長している印象を受ける。高校卒業後は大学進学の予定とのことだが、4年後のドラフト候補となる可能性も十分ありそうだ。

履正社・辻竜乃介の父は元・オリックスの竜太郎、祖父は元・中日の哲也。親子三代でのプロ野球選手誕生に期待がかかる 【写真は共同】

 もう一人、この夏の甲子園出場校で4番を務めているのが辻竜乃介(履正社3年・内野手)だ。父の竜太郎はオリックスと楽天で6年間プレーしており、現在は西武の二軍野手チーフコーチを務めている。ちなみに祖父の哲也も中日で3年間プレーした経験があり、そういう意味では“三世選手”と言える。竜乃介も強豪の履正社で1年秋からサードのレギュラーに定着。この夏の大阪大会では7試合でチームトップの15打点をマークし、4番として打線を牽引した。183cm、88kgという堂々とした体格を生かしたスイングは迫力十分。こちらも古城大翔と同様に大学を経由してのプロ入りを狙える素材である。また残念ながら夏の甲子園では出場機会はなかったが、ロッテのサブロー監督を父に持つ大村魁星(関東第一3年・外野手)も東東京大会初戦の筑波大付戦では代打で出場してヒットを放つ活躍を見せた。

父・中村剛也と同じ大阪桐蔭のユニホームに袖を通した中村勇斗のさらなる成長が期待される 【写真は共同】

 今年春の選抜で話題となったのが現役最多の481本塁打(8月11日時点)を誇る中村剛也(西武)を父に持つ中村勇斗(大阪桐蔭2年・内野手)だ。小学校6年時には年末に行われているNPBジュニアトーナメントの埼玉西武ライオンズジュニアに選出。当時から父親顔負けの柔らかいスイングは話題となっていた。中学では全国でもトップクラスの強豪である世田谷西リトルシニアで中軸を務め、父と同じ大阪桐蔭に進学している。春の選抜では背番号17でベンチ入り。準々決勝までの3試合は代打で1打席のみの出場だったが、準決勝の専大松戸戦でスタメンに抜擢されるといきなり第1打席で甲子園初ヒットを記録。続く決勝の智弁学園戦では先制のタイムリーを放ち、チームの優勝にも貢献した。まだ下級生ということもあって対応力には課題が残るものの、右方向へも強く打てるバッティングは魅力だ。チームは大阪大会の4回戦で大阪立命館に敗れ、春夏連続の甲子園出場を逃しただけに、秋は不動のレギュラーとして打線を牽引してもらいたい。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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