2026-27シーズンのJ1・J2「補強・戦力」を徹底分析!

2強の鹿島と神戸は戦力アップ、名古屋とG大阪は動き少なく J1全20クラブの補強診断【前編】

YOJI-GEN

町田は元浦和のMF明本考浩(左)とMF松尾佑介を獲得。チームの強みであるスピードとインテンシティに優れた選手たちだ 【菊地正典】

 シーズン移行後初となる2026-27シーズンの開幕が目前に迫っている。そこでJ1全チームの夏の補強を総括する。前編では神戸、鹿島、C大阪、FC東京、町田、名古屋、広島、川崎、東京V、G大阪と、百年構想リーグの総合順位上位10チームの補強を読み解く。

※情報は8月5日時点
※文中の(→)は移籍先、(←)は前所属
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ヴィッセル神戸

補強診断:B/戦力ランキング:2位
百年構想リーグ総合順位:1位
監督:ミヒャエル・スキッべ(1年目)

 25シーズンは鹿島にリーグ3連覇を断たれたものの、その鹿島を破って百年構想リーグを制したのはさすが。すでに充実したチーム編成を誇るが、それでも貪欲に補強を敢行した姿勢に、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)初制覇への意欲が伝わってくる。

 百年構想リーグのスカッドからMF乾貴士(→磐田)とFW満田誠(→柏)が抜けたが、2人はいずれも百年構想リーグでの出場数が少なく、戦力ダウンとは言えない。その一方で、横浜FMの黄金期を支えたMF渡辺皓太を獲得。戦術眼に優れたインサイドハーフの加入は、スキッベ監督に采配の幅、戦術の幅をもたらすことになるだろう。

 前線には同じく横浜FMで活躍したFWアンデルソン・ロペス(←ライオン・シティ・セーラーズ)を獲得した上で、期限付き移籍で在籍していた町田のFWエリキにも触手を伸ばしているようだ(5日現在)。また、両サイドバックをこなす広瀬陸斗を鹿島に取られたが、すぐさま千葉からDF髙橋壱晟を引き抜き、チーム編成の穴を埋めた。不安要素を挙げるなら、主力の高齢化が進んでいることか。むろん、神戸のことだからシーズン中の補強は十分にあり得るだろう。

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鹿島アントラーズ

補強診断:A/戦力ランキング:1位
百年構想リーグ総合順位:2位
監督:鬼木達(2年目)

 25シーズン王者がさらに隙のない陣容を完成させた。今夏の新加入は3人だが、いずれも戦力アップに貢献する実力者たち。清水から迎えたMFマテウス・ブエノはプレーメイクとボール奪取力に優れたオールラウンダー。すでに日本のスタイルにマッチしている点も大きく、中盤の軸になるのは間違いない。

 荒木遼太郎(→シント=トロイデン)が抜けた攻撃陣には、横浜FMで活躍したFWヤン・マテウス(←カタールSC)が加わる。このレフティウインガーの武器は、緩急をつけたドリブル突破と、カットインからの左足のクロスやシュート。レオ・セアラや鈴木優磨らFWへのチャンスボールが増えそうだ。

 右サイドバックの濃野公人(→D.C.ユナイテッド)が流出したのは痛いが、かつて在籍したDF広瀬陸斗(←神戸)をすぐさま獲得。そのアプローチの速さは、見事としか言いようがない。J1連覇のみならず、ACLEとのダブル制覇へ、準備は着々と進んでいる。

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セレッソ大阪

補強診断:C/戦力ランキング:9位
百年構想リーグ総合順位:3位
監督:パブロ・マチン(新任)

 中盤のユーティリティとして貴重な存在だったMF中島元彦が古巣の仙台に復帰し、百年構想リーグでひと皮むけたMF石渡ネルソン(→シント=トロイデン)は欧州へと旅立った。さらに、準レギュラー格だったMF本間至恩もFC東京に新天地を求めた。

 中盤の流出が目立つ一方で、開幕目前になって大きなニュースが飛び込んできた。ザンクトパウリに所属する33歳のオーストラリア代表MFジャクソン・アーバインの加入が決定したのだ。また、ブラジルのレッドブル・ブラガンチーノ、琉球、藤枝で経験を積んだMF岡澤昂星が復帰。さらにウインガーのMF小見洋太(←柏)も獲得している。

 ほかにも、期限付き移籍から復帰したバルセロナ育ちの20歳の左サイドバック・髙橋仁胡(←アルメレ・シティ)、百年構想リーグで4ゴールをマークした20歳のウインガー・横山夢樹、久保建英の実弟で、18歳のMF久保瑛史と、若き才能が目白押し。彼らをさらに引き上げることができるか。スペイン人指揮官・パブロ・マチン新監督の手腕に懸かっている。

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FC東京

補強診断:B/戦力ランキング:5位タイ
百年構想リーグ総合順位:4位
監督:松橋力蔵(2年目)

 FW長倉幹樹、MF高宇洋、DF橋本健人、DF稲村隼翔に続く“チルドレン”の合流と言えるだろう。松橋力蔵監督が率いた新潟で攻撃のキーマンを担った本間至恩(←C大阪)が今季から青赤の一員となる。クラブ・ブルッヘや浦和では不遇をかこったが、C大阪で完全復活。遠藤渓太(→柏)が去った左ウイングとして打ってつけのプレーヤーだ。

“東京の至宝”MF佐藤龍之介(→バレンシア)の穴は、デンマーク代表キャップもあるMFニコラス・ヴァリス(←ブレンビー)で埋めた。前線のポジションを複数こなせるため、左ウイングもしくはセカンドトップでの起用が濃厚だ。さらには右サイドバックにはJ1での経験も豊富なDF石原広教(←浦和)を獲得。期限付き移籍で海外挑戦をしていたサイドのスペシャリスト・MF安斎颯馬(←FCペナフィエル)の復帰も決まった。

 悲願のリーグ初制覇に向けてベースアップした印象だが、攻撃陣に関しては“穴埋め”に留まったことも事実。さらに上のステージに行くためには、22歳のウインガー・俵積田晃太や加入3年目のFW小柏剛らのブレイクが必要だ。

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FC町田ゼルビア

補強診断:C/戦力ランキング:4位
百年構想リーグ総合順位:5位
監督:黒田剛(4年目)

 シャドーとして攻撃を牽引したFWナ・サンホ(→岡山)がチームを離れ、FWエリキも神戸への移籍が秒読みとの情報が出ているが(5日現在)、代わって元オーストラリア代表FWミッチェル・デューク(←マッカーサー)が2年ぶりに復帰。さらに、浦和から抜群のスピードを誇るMF松尾佑介を迎え入れた。松尾はシャドーでの起用が濃厚で、相馬勇紀とのコンビは相手の守備陣を混乱に陥れるに違いない。

 ロングスローの使い手でもあった左ウイングバックの林幸多郎が浦和に移籍したものの、すかさずベルギー帰りのMF明本孝浩(←ルーヴェン)を獲得。サイドアタックの迫力と強度がより一層強まった印象だ。

 スピードやインテンシティといったチームのコンセプトに則った補強、DFドレシェヴィッチやMF白崎凌兵、MF仙頭啓矢、FW藤尾翔太、FW西村拓真といった実力者たちがサブに回る可能性もあるほどの選手層……。天皇杯優勝、ACLE準優勝を果たした新興勢力は、着々と力をつけている。

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