週刊ドラフトレポート2026

甲子園での活躍に注目! 西日本No.1の呼び声高い大型右腕、強肩光る名門不動のショート

西尾典文

大型右腕の大分商・平田玲翔(左)と、抜群の強肩が光る横浜・池田聖摩(右)はこの夏の甲子園でも注目しておきたい選手だ 【撮影:西尾典文】

 秋に行われるドラフト会議に向けて、年間400試合以上のアマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組では解説も務めるベースボールライター西尾典文さんが、有望なアマチュア選手を毎週レポートします。今回は8月5日に開幕した夏の甲子園で注目の本格派右腕と強肩ショートを紹介します。

最終学年で評価急上昇!西日本ナンバーワンの呼び声高い大型右腕

150キロ以上の速球に加えてスプリットとツーシームなども投げ分けられる大分商・平田玲翔 【撮影:西尾典文】

平田玲翔(大分商 3年 投手 188cm/80kg 右投/右打)

【将来像】岩隈久志(元近鉄など)
スリークォーター気味の腕の振りで球持ちが長く、ゆったりとした感じが出てくれば岩隈のようになりそう
【指名オススメ球団】広島
将来のエース候補になる高卒の若手投手が不足しているチーム事情から
【現時点のドラフト評価】★★★☆☆
上位指名(2位以上)の可能性あり

 今年の高校生は投手に注目選手が多いが、春から夏にかけて一気に評価を上げてきた印象を受けるのが大分商の平田玲翔だ。大分県玖珠町の出身で中学時代は玖珠ボーイズでプレーしている。大分商では1年秋から投手陣の一角に定着し、昨年夏の大分大会では140キロを超えるスピードをマーク。2年秋、3年春はいずれも明豊に敗れて九州大会に出場することはできなかったが、さらにスピードアップを果たし、スカウト陣の注目を集める存在となった。

 しかし春季大会後には右肩に違和感を訴え、6月に行われた関東遠征でも多くのスカウトが視察に訪れる予定だったが、大事をとって登板回避となった。その影響もあって夏の大分大会初戦の国東戦ではリリーフで1イニングを投げたものの、ストレートは球場表示で最速144キロにとどまっている。ようやく状態が上がってきたのは大会中盤からだ。準々決勝の佐伯鶴城戦では自己最速を更新する152キロをマーク。実際に現場でピッチングを見ることができたのは準決勝、宿敵とも言える明豊との試合だった。

 平田はその前の3試合と同様に2番、指名打者で先発出場し、マウンドに上がったのは4回途中だった。1点を勝ち越されてなおもワンアウト一・二塁の場面で登板すると、最初の打者に送りバントを決められたものの、続く打者から空振り三振を奪い、このピンチを脱出。その後も力のある打者が揃う明豊打線を相手に5回2/3を投げて被安打わずかに2で1失点の好投を見せ、チームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 ストレートは球場表示で度々150キロ以上を計測し、最速は151キロをマーク。それ以上に目立ったのがフォームだ。長身で腕も長いがテイクバックの動きは小さく、少し肘を下げて急に腕が出てくるので打者はタイミングを取るのが難しい。さらに球持ちも長く、手元での勢いも抜群で数字以上の威力が感じられた。

 平田の持ち味はスピードと打ちづらいフォームだけではない。変化球の質も素晴らしいものがあった。特にこの日目立ったのはスプリットとツーシームの落ちるボールで、どちらもストレートと変わらない腕の振りから低めにしっかり投げ切ることができていた。視察していたスカウトの話では春までは遅いチェンジアップが中心だったとのことだが、秋と春に敗れている明豊に対してこれまでにないスタイルでしっかり抑えきったというところに能力の高さを感じる。

 また野手としても打撃、走塁ともにチーム内でもトップと言える存在で、柔らかいスイングとストライドの長いベースランニングも目を見張るものがあった。

 甲子園では大会第4日の第3試合で、選抜にも出場した日本文理と対戦することが決まったが、初の甲子園ということで各球団多くのスカウトが視察に訪れることは確実だ。ここでも大分大会同様のパフォーマンスを見せることができれば、上位指名の可能性も出てくるだろう。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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