ESPNが、一平事件を扱ったポッドキャストを公開 大谷翔平を裏切った元通訳の“肉声”が語る真実とは?
大谷を裏切る虚偽を重ねて生じた矛盾
そのことが分かるやり取りが終盤にある。
電話の会話を聞いていた大谷の広報担当者の介入が増え「インタビューを切り上げろ」という空気を察したトンプソン記者が「時間を気にしているようなので、そろそろ終わりにする」と伝えると、水原受刑者は「明日か、今日の試合後にまた話せる」と言った。しかし、その発言にもトンプソン記者は驚いた。おそらく、水原受刑者はこの後、ドジャースを解雇される。そうなればもう、話すことなどできない。彼にとってもう、明日はない。
水原受刑者が、「妻は何も知らない」と話したときは涙声だったが、全体の印象としては矛盾が多い。トンプソン記者もそれを指摘しているが、だとしたら、わざわざこのインタビューの直前、大谷の代理人は危機管理の専門広報を雇ったのに、その専門家が練ったであろうシナリオがまるで機能しなかったことになる。
トンプソン記者は水原受刑者が、「翔平と一緒にオンラインバンキングで送金した」という発言に言葉を失う。それは、大谷を犯罪に加担させる行為だからだ。ただそのとき、広報担当が割って入ることもなく、水原受刑者も淡々と手口を明かした。矛盾を指摘されると、「違法だと思っていなかったから」と交わしたが、借金取りが家に来ることを恐れるなど、違法と認識していたような発言もしている。
ひとまず、トンプソン記者は水原受刑者の告白に沿って、違法賭博業者とギャンブルを行った結果、負債を抱えた。その膨らんだ負債を大谷が肩代わりした、という原稿を出そうとしていたが、開幕戦が終わってから広報担当者から連絡があり、「一平が話したことは全て嘘だ!」と告げられる。
「翔平はたったいま、事件を知らされた。送金にも関与していない」
これが小説なら陳腐な展開である。ところが、事実となると話が変わってくる。
第3話以降、水原受刑者の生い立ち、ボイヤーと水原受刑者のやり取り、事件の実態が明かされていくが、こんな音声も公開される予定。
――あなたの名前は?
銀行の担当者から送金をする際に本人確認を求められると、水原受刑者はこう答えている。
「ショウヘイ・オオタニ」
その銀行とのやり取りはなんと24回に及び、それが犯罪の決定的な証拠となった。
その声には、ためらいが感じられなかった。
(編集:スリーライト)