桑木志帆が全英女子を制覇! プレー、ファッション、人柄で英国ギャラリー&メディアを魅了

北村収

全英(AIG)女子オープンで日本人7人目となるメジャー優勝を果たした桑木志帆 【(Photo by David Cannon/Getty Images】

 イングランドのロイヤルリザム&セントアンズGCで7月30日から8月2日までの4日間開催された全英(AIG)女子オープン。桑木志帆は初日2位タイ、2日目単独2位、3日目も2位タイと、3日間にわたってリーダーボード上位を走り続け、最終日にプレーオフで優勝を決めた。日本女子ツアーを主戦場としている桑木の現地イングランドでの知名度はあまり高くなかったが、上位で好プレーを見せる桑木に地元ギャラリーやメディアの視線が集まり始めた。

 プレーだけではない。ファッション、そしてまつ毛やネイルにも注目が集まった。

昨年「81」の苦い経験を乗り越え、リンクスで好プレーを展開

 昨年、ウェールズのロイヤル・ポースコールGCで開催された全英女子オープンでは、初日を3アンダーの4位でスタートしながら、2日目に「81」を叩いて予選落ち。リンクス特有の強風に翻弄され、「頭が真っ白になった」と振り返っていた。

 それから1年。舞台はイングランドのロイヤルリザム&セントアンズGCへと移った。昨年同様、強風が吹き荒れるリンクスだったが、桑木は初日に5アンダーをマークして2位タイと好スタート。昨年、苦杯をなめた2日目も1つスコアを伸ばし、通算6アンダーの単独2位で決勝ラウンドへ進んだ。予選ラウンドを通して落ち着いたプレーで上位をキープし、昨年の悔しさを糧にした成長を印象づけた。

 3日目はスコアを落としたものの、通算4アンダーの2位タイと上位をキープ。首位とは3打差と、十分に優勝を狙える位置で最終日を迎えた。

最終日、ピンチでも動じないプレーでプレーオフに

 最終日も序盤からショットは好調だった。2番でバーディを奪ったが、4番(Par4)でピンチが訪れる。ティーショットはフェアウェイ左のバンカーへ。ボールはアゴに近く、右方向のフェアウェイに打ち出すのは難しい状況だった。一方、左のラフへ出すしかないものの、短いラフのエリアは狭く、少しでも距離感を誤れば深いラフにつかまってしまう。その難しい状況から、桑木は最高のリカバリーで左の短いラフへ。結果的に3オン2パットのボギーで切り抜けた。

 続く5番(Par3)では1オンに成功したものの、短いパーパットを外してボギー。嫌な流れになりかけたが、好調なショットを武器にその後はパーを重ねた。そして9番(Par3)ではピンそばにつけたバーディパットを沈め、さらに短いPar4の13番では1オンを狙ってグリーン左のバンカーへ入れながらも、見事に寄せてバーディ。5アンダーまでスコアを伸ばした。

 この頃には上位陣が次々とスコアを落としており、桑木はトップタイに浮上。その後もパープレーを続けると、さらに後続組がスコアを落としたことで、ついに単独首位に立った。この桑木の落ち着きぶりは、バッグを担いだ小田亨キャディも評価。「僕もびっくりするくらい冷静でしたね」と、桑木の精神的な成長を感じていた。

 単独トップの5アンダーでホールアウトした桑木は、後続組の結果を待った。結局、18番で超ロングパットを沈めてバーディを決め、5アンダーまでスコアを伸ばしたエスター・ヘンゼライト(ドイツ)とのプレーオフとなった。

好プレーを見せる桑木に、多くの現地英国人ギャラリーが集まった 【Photo by Morgan Harlow/R&A/R&A via Getty Images】

プレーオフの大ピンチは、小田キャディの一言で冷静に切り抜けた

 18番ホール(Par4)で行われたプレーオフ1ホール目、いきなりピンチが訪れた。「体が固まっていた」とティーショットは右へ曲がり、ボールはすっぽりと隠れる深いラフへ。そこで小田亨キャディが、「とりあえずフェアウェイに。3打目で寄せればプレッシャーをかけられるから」と、ボールのライを見極めていた桑木にアドバイスを送った。桑木はその言葉通りフェアウェイへ出すと、3打目を1メートルにつけて英国の大ギャラリーを熱狂させた。結果的にパーをセーブし、ヘンゼライトはバーディパットを沈めることができずプレーオフは2ホール目へ。結果的に、小田キャディに言った通りになった。桑木は優勝会見で、「小田さんのアドバイスがあったので、3打目を冷静に打つことができました」と土壇場でのスーパーショットを振り返った。

プレーオフ1ホール目、2打目を深いラフから打つ桑木志帆 【Photo by Luke Walker/Getty Images】

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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