「最後まで楽しめるメンタル」「自分だったらあんなに…」 プレーオフ直前に見た桑木志帆の強さ/解説・宮里藍&上田桃子
同組の選手がミスしても…自分のイメージで打てる強さ
宮里藍(以下、宮里) 今のメジャーでプレーする選手の皆さんの技術や感覚が、自分が現役でプレーしていたときと全く違うと改めて痛感しました。桑木選手が技術の高さはもちろん、この大きな舞台で最後まで楽しめるメンタルの強さをすでに持ち合わせていることが、ただただすごいと感じます。
宮里 だいぶ早い段階で緊張したんだね(笑) 私はプレーオフに入ってからだったでしょうか。まるで親になった気分で観ていて、感情移入しすぎて疲れました。
――3打差の2位から中盤に首位を捕らえてプレーオフへ
上田 スタートの1番(パー3)で第1打をグリーン右に外しながらパーを拾い、滑り出しは理想的でした。その後は5ホール近く続けて惜しいパットが続きましたが、無理をし過ぎることなくプレーする姿が印象的でした。一日を通して、ウェッジでショットできるときにピンを狙い、その他のケースでは広いサイドからバーディパットを打つようなマネジメントを徹底していたように思います。
決戦の準備ができなくとも…貫いたスタンス
宮里 最終組は桑木選手の組の2つ後ろで、クラブハウスリーダーでホールアウトしてから、長く待たされる時間がありました。ディスアドバンテージがあると思いましたが、ピンチで冷静に、ブッシュからあっという間にフェアウェイに刻んで3打目勝負を決断しました(3打目をピンそば1m強につけてパーを拾い、2ホール目に持ち込んだ)。その勝負強さは相手をやりにくくさせる。ちょっとした攻めの姿勢が、最終的には全英の優勝にもつながると改めて勉強させてもらいました。
上田 気温が下がって寒くなり、正規のホールで頭もかなり疲れていたはずです。彼女は今週、「無理をしない、余計なことをしない、無駄なエネルギーを使わない」プレースタイルのままでした。(正規のホールで)前の組を待っているときに素振りを増やすわけでもなかった。打つ番が回ってきたときに、一気に集中できている様子がうかがえました。
宮里 ひょっとしたら、(大会側の要請などで)練習したくてもできなかった状況だったのかもしれません。いずれにしても、プレーを楽しむことをテーマに、最後までそれを貫き通したことが素晴らしかった。他の選手のプレーを笑顔で見ている姿も好感を持てましたし、彼女が決めたことは、第三者にどうこう言われるべきものではありません。