「叩きのめされた」 名将・小倉全由が選ぶ高校野球史上最強チームとは
これまで対戦、あるいは見てきたチームのなかで、最も強いと感じたチームはどこか。そう問われたとき、小倉氏は迷わず答えた。
※収録は2025年
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PL学園「立浪世代」はすべてが揃ったチーム
小倉全由:自分が一番強かった、叩きのめされたという記憶の中でのやっぱりPL学園の立浪選手の世代ですね。
春夏連覇を達成したそのチームには、野村投手と橋本投手という素晴らしい投手が揃い、攻撃の中心である立浪選手、4番の深瀬選手、5番の片岡選手と強打者が並んでいた。
小倉:左と右で投げられるピッチャーを揃えている。そういうところがやっぱり素晴らしいなと思います。それとやっぱり守備のうまさ。立浪選手の守備。こんなに素晴らしいチームがあるのかな、っていう。ピッチャーの力、守備の質、そして攻撃力。
―― ただ、日大三高の打線ならあのピッチャー陣を打てるんじゃないですか?
小倉:いや、打てないでしょう。ただ、2001年と2011年の打線はどこに行っても胸を張れる打線だというのはありますね。
―― 2001年と2011年、対戦したらどちらが強いですか?
小倉:でも似たようなチームですよね。バッティングが良くて、近藤君と吉永君がいてっていう。パワーだったら2001年、うまさがついて2011年、というような感じですね。
―― チーム作りでバッティングと守備の比率はどのくらいですか?
小倉:うちは守備が多いですよ。自分はいつも練習は守備から入って。見学に来た監督さんが「日大三ってバッティングしかしてないと思ってました」と言われるんですけど、守備ができなかったらやっぱり野球は勝てない。
―― どこにバッティングが良くなるポイントが?
小倉:まず一番打ちやすいカーブでマシンをセットして、その緩いボールを正しいスイングで力強い打球を打ち返す。緩いボールを10本打ったら10本ジャストミートできる、そういうスイングを作ろうという教えですね。それと、ヒットになる一番確率のいい打ち方として、初球から甘いボールをしっかり打つ。積極打法です。
江川卓の攻略法から生まれたバッティング哲学
小倉:それはですね、江川卓さんを擁した法政大で監督をやられた五明さん。五明さんに「江川投手が相手のチームにいたら、江川攻略どうしますか」って聞いたんです。
小倉:「150kmの早いボールを練習しても出会い頭だよ。それよりも正しいスイングを作って、それから早いボールに対応させるような練習をしていかないと。基を作らなかったら絶対、小倉君バッティングなんか良くなんないよ」と言われたんです。
どっしりとした構えからヘッドスピードの早い鋭いスイングを作ること。それは緩いボールを引きつけて、どこまで力強く振れるか。自分はその五明先生の言われたことを次の日から実践して、そのバッティングの作り方は関東一高の時からずっと同じですね。