F1は今、新世代ドライバーたちが凄い! なぜ、いきなり速いのか
新世代ドライバーが躍動した
F1ベルギーGPで最も印象に残ったのが、この数字だった。レッドブルのイザック・アジャが最後尾近くからのスタートを余儀なくされながら、10数台を追い抜いて6位まで駆け上がった(注)。「ペナルティがなければ、表彰台も狙えた」(本人談)。3位に入ったチームメイトのマックス・フェルスタッペンを終始上回るペースで走っていただけに、その可能性は十分にあった。
驚くべきはアジャだけでなく、F1デビュー1、2年の若手たちが次々と入賞を果たしたことだ。ガブリエル・ボルトレートが8位、アービッド・リンドブラッドが9位。いずれも実績十分の実力派チームメイトを下しての入賞だった。そしてタイトル争いでは、デビュー2年目のアントネッリが首位を快走している。
注:アジャは今回、規定数以上のパワーユニット交換のためにグリッド降格ペナルティを科された。
昔のルーキーとは何が違うのか
アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハ、フェルナンド・アロンソ、ルイス・ハミルトン、そしてフェルスタッペン。後に世界王者となる才能は、デビュー当初から並外れた速さを見せていた。しかし彼らが初優勝を果たした年齢、さらに世界チャンピオンになった年齢は、意外に遅い。たとえばセナ、シューマッハが1勝目を挙げたのは、それぞれ25歳と23歳。初タイトルは28歳と25歳だった。
アロンソは当時最年少の19歳でF1デビューを果たしたが、初優勝は22歳。初タイトルはさらに3年後の25歳だった。一方フェルスタッペンは17歳でF1デビューすると翌年初勝利。しかしタイトル獲得には、6年後の2021年まで待たなければならなかった。ハミルトンだけはF1デビュー後すぐに成功した例外だったが、下位カテゴリーで6年間戦い、準備期間を十分に積んでいる。勝つために必須の経験を積み、超一流へ成長するのに、それだけの時間が必要だったということだ。
ところが今のルーキーたちは違う。20歳そこそこのデビューが当たり前で、F1に来ていきなり速い。まるで数年分の経験を、最初から持っているかのようだ。