メッシの神通力は無敗スペインをも破るのか W杯決勝、ヤマルとの20歳差対決へ

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日本時間で20日に行われる決勝はスペインvs.アルゼンチンの対決になった 【Photo by Koji Watanabe/Getty Images / Photo by Luke Hales/Getty Images】

 大陸王者として君臨する二つのサッカー大国が、世界の頂点をかけて激突する。無敗記録を更新し続ける欧州王者スペインと、連覇の偉業に挑む南米王者アルゼンチン。現地時間7月19日(日本時間20日)、ニューヨーク・ニュージャージースタジアムで北中米ワールドカップ(W杯)決勝が行われる。直近のコパ・アメリカ(南米選手権)王者とユーロ(欧州選手権)王者が決勝で対戦するのは、W杯史上初めてのこと。大陸を制した両雄が、世界の頂点をかけて激突するという、まさに歴史的な一戦を、Opta Factsで展望する。

決勝は先制したチームが勝つ?

 両国のW杯での対戦は、実に1966年イングランド大会のグループステージ以来となる。当時はアルゼンチンが2-1で勝利を収めたが、これは遠い過去の記憶にすぎない。今世紀に入ってからの国際Aマッチでは、スペインが4戦3勝と優位に立っており、直近の2018年3月の対戦では6-1という大差で勝利。このスコアは、アルゼンチン代表が喫した歴史的な大敗の一つとして記録されている。過去の因縁と現在の力関係が複雑に絡み合い、決勝戦の様相を一層興味深いものにしている。

 W杯決勝という舞台では、先制点の持つ意味は極めて大きい。スコアレスからのPK戦決着となった1994年アメリカ大会以降、先制した7チームのうち6チームが優勝トロフィーを掲げている。唯一の例外は2006年ドイツ大会のフランスであり(先制後、同点に追いつかれ、イタリアにPK戦で敗れる)、試合の主導権をいかに早く握るかが、勝敗を分ける重要な鍵となるだろう。

史上初となる6試合クリーンシートのスペイン

決勝まで上り詰めたスペインはW杯のトロフィーをつかめるか 【Photo by Kyle Rivas - FIFA/FIFA via Getty Images】

 スペインは、今まさに黄金期と呼ぶべき強さを誇示している。現在、国際Aマッチで37試合連続無敗(28勝9分)を継続中であり、この決勝で引き分け以上の結果を残せば、イタリアが持つ欧州勢の最長無敗記録を塗り替えることになる。最後の敗戦は2024年3月のコロンビア戦までさかのぼらなければならず、その安定感は驚異的だ。

 この強さを支えているのは、攻守に連動したチーム組織である。今大会の1試合平均被枠内シュート数はわずか1.4本で、参加国の中で最も少ない。さらに、1試合平均の被ゴール期待値0.31という数字は、1966年以降のW杯において史上最少タイ記録となる(1990年イタリア大会のウルグアイと並ぶ)。大会を通じて史上初となる6試合でクリーンシートを達成し、一度も相手にリードを許していないという事実が、その強さを何よりも雄弁に物語っている。単に守備が優れているだけではなく、個々の卓越した技術と、高いサッカーIQに基づくポジショニングの巧みさによる正確無比なパスワークで、相手にボールを渡さないのだ。

 そのサッカーを支える中盤の支配者、ロドリの存在も欠かせない。彼の今大会パス成功数655本は、1966年以降の同一大会で歴代最多記録を更新。チームの心臓として、攻守にわたり絶大な影響力を発揮している。アイメリク・ラポルテ(22戦15勝7分)やミケル・オヤルサバル(20戦15勝5分)といった選手たちは、ユーロとW杯の両大会で無敗を続けており、ファビアン・ルイスに至っては、出場した国際Aマッチ49試合で無敗(34勝15分)と、チーム全体に勝利のメンタリティーが深く根付いていることを示している。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の下、チームは組織的な完成度を極め、欧州王者から世界の頂点に立とうとしている。

連覇を狙うアルゼンチン、勝負強さと不屈の魂

アルゼンチンには連覇の期待が懸かるが、決勝でどんな戦いを繰り広げるか 【Photo by Buda Mendes/Getty Images】

 対するアルゼンチンは、前回王者としての誇りを胸に、連覇という偉業を目指す。W杯の決勝に進出するのはこれが通算7度目。過去にはイタリア(1934年と1938年)とブラジル(1958年と1962年)しか成し遂げていない連覇の夢は、もう手の届くところにある。

 今大会のアルゼンチンは、圧倒的な勝負強さを見せつけてきた。開幕から7戦全勝で決勝まで駒を進めており、もし優勝すれば2002年日韓大会のブラジル以来となる全勝優勝を達成する。その道のりは決して平坦ではなく、ラウンド16のエジプト戦(3-2)、準決勝のイングランド戦(2-1)では逆転勝利を収めてきた。同一大会で3度の逆転勝利を記録すれば、1970年メキシコ大会の西ドイツ、2014年ブラジル大会のオランダに並ぶことになる。

 特に、試合終盤の得点力は驚異的で、76分から90分の間に8ゴールを記録。これは1954年スイス大会で「ベルンの奇跡(決勝で当時無敵と称されたハンガリーを0-2から逆転で破り、ゲルマン魂の象徴と語り継がれる試合)」を演じた西ドイツに並ぶ最多得点記録であり、最後まで諦めない不屈の魂を象徴している。その中心にいるリオネル・メッシの神通力は、スペインさえも打ち破るのか。

 攻撃の多彩さもアルゼンチンの強みだ。ペナルティーエリア外から5ゴールを奪っており、これも1966年以降の同一大会における最多タイ記録。どこからでもゴールを狙える脅威が、相手守備陣にプレッシャーをかけ続ける。現在、国際Aマッチ14連勝中と勢いに乗るチームを率いるのは、リオネル・スカローニ監督。彼が再びチームを栄光に導けば、イタリアのヴィットリオ・ポッツォ以来、史上2人目となる監督としてのW杯連覇を達成することになる。

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