佐々木麟太郎、マーリンズ入り決断へ MLBドラフト指名の舞台裏
代理人の「作戦司令室」で見た光景
今回は、ドラフト指名の舞台裏を紹介したい。
MLBドラフトは、実にユニークだ。
かつては(2006年まで)1年間に渡って入団交渉が行われ、最終的に上位指名選手と契約に至らないことも少なくなかった。
2007年以降、徐々に変わって、2021年から7月となり、オールスターゲームの一イベントとなった。ともなって、交渉期間が短縮され、今回は7月27日が期限。約2週間という短さである。
その代わり、ある程度、チームは選手、代理人(契約するまではアドバイザー)と接触し、事前に順位や、契約金の交渉が認められている。
佐々木麟太郎のケースはどうだったのか?
今回、代理人が、借りていた“ドラフトルーム”(ドラフト用の作戦司令室)に潜入。もちろん、それが明かされることはなかったが、ドラフトの流れの一端を窺い知ることができた。
方々から電話が入り、その際のやり取りは、こんな感じ。
某球団「〇〇を8巡目で指名したい。契約ボーナスは30万ドルでいいか?」
代理人「本人に確認して折り返す」
代理人「〇〇が8巡目で指名したいそうだ。契約ボーナスは30万ドル。受けるか?」
選手「はい、受けます」
代理人「わかった」
代理人「〇〇からOKが取れた」
某球団「わかった。予定通り指名する」
その間、わずか2〜3分。代理人たちは、次々と案件を捌いていく。
そんな短時間で運命が決まるのか――と思うかもしれないが、冒頭で紹介したように、指名までに話はまとまっている。12〜13巡目以降になると、そういう事前調整は減るので、その場合は当然、辞退するケースも増える。そもそも15巡目以降ぐらいになってくると、指名された高校生は大学へ進学し、3年後の上位指名を目指す。
事前連絡そのものは、その選手に対する敬意の表れであり、おそらく、佐々木のケースでも、同じようなやり取りがあったとは想像がつくが、話は少々複雑。