W杯史に刻まれた因縁再び イングランドvs.アルゼンチン、宿命対決の行方は

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イングランド代表のハリー・ケイン(左)とアルゼンチン代表のリオネル・メッシ(右)。大一番でゴールネットを揺らすのは? 【Photo by Etsuo Hara/Daniela Porcelli/Getty Images】

 数々の名勝負を繰り広げてきた両雄が、決勝への切符をかけて再び激突する。現地時間7月15日(日本時間16日)、アトランタで行われる北中米ワールドカップ(W杯)準決勝で、イングランドとアルゼンチンが相まみえる。歴史的な因縁、数々の記録、そしてスターたちの競演。Opta Factsを基に、この一戦を展望する。

W杯史に残る数々の因縁

 イングランドとアルゼンチン。サッカーの歴史において、この対戦カードは常に特別な響きを持ってきた。通算対戦成績ではイングランドが6勝6分2敗と勝ち越しているが、サッカーファンの記憶に深く刻まれているのは、ディエゴ・マラドーナの伝説的な2ゴール(「神の手」と「5人抜き」のゴール)によって勝利した1986年メキシコ大会での一戦だろう。イングランドにとって、これがアルゼンチンに対する直近の黒星となっている。

 1998年フランス大会のラウンド16では、ディエゴ・シメオネのファウルに対する報復行為によるデビッド・ベッカム退場もあり、アルゼンチンがPK戦で勝利した(PK戦は引き分け扱い)。なお、この試合は当時18歳だったマイケル・オーウェンがドリブルでアルゼンチン守備陣を突破し、鮮烈なゴールを決めた一戦としても記憶されている。

 また2002年日韓大会ではグループステージで対戦し、このときはベッカムのPKによるゴールを守り切り、イングランドが雪辱を果たしている。アルゼンチンはこの敗戦が響き、まさかのグループステージ敗退を喫した。

 W杯の舞台で両者が顔を合わせるのは通算6度目。アルゼンチンにとって、これはオランダと並び2番目に多い対戦回数である。しかし、その対戦成績は芳しくない。W杯で3回以上対戦した相手の中で、イングランドに対する勝率は20%(1勝2分2敗)と、イタリア(0%)、ドイツ(14.3%)、オランダ(16.7%)に次いで低い数字だ。近年の対戦ではイングランドが優位に立っており、現在の2連勝を含む直近5試合で無敗(2勝3分)を維持している。

2人が6ゴールずつ挙げているイングランド

ハリー・ケイン(右)とジュード・ベリンガム(左)。ノルウェー戦の後は肩を組み、サポーターとともに大合唱で勝利を喜んだ 【Photo by Marvin Ibo Guengoer - GES Sportfoto/Getty Images】

 今大会、両チームは持ち味の攻撃力を見せつけている。アルゼンチンは破竹の6連勝を飾り、同国のW杯連勝記録を更新中だ。特筆すべきは、現在4試合連続で3得点を挙げていることであり、イングランド戦でも3ゴール以上を記録すれば、2022年カタール大会から今大会にかけてのフランス代表に次ぎ、W杯史上2チーム目となる5試合連続3得点以上の快挙となる。チーム総得点も大会最多の17点に達しており、1930年ウルグアイ大会で記録した代表史上最多の18ゴールにあと1点と迫っている。

 対するイングランドは、卓越した個の力が攻撃を牽引している。ハリー・ケインとジュード・ベリンガムがそれぞれ6得点を記録。同一チームの2選手が1大会で6ゴール以上を挙げるのは、W杯史上初めてのことだ。特にベリンガムは現在2試合連続で2ゴールをマークしており、W杯で複数得点をマークした試合数はイングランド代表史上でケイン(4試合)、ガリー・リネカー(3試合)に次ぐものとなっている。

 彼らを支えるタレントも豊富で、ブカヨ・サカの90分換算アシスト数(1.01)はOptaがデータを収集し始めた1966年以降のイングランド代表史上、同一大会で歴代最多の数字を記録している。アンソニー・ゴードンも準々決勝のノルウェー戦で、ドリブルを10回記録(成功は4回)するなど、個の打開力が際立つ。

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