試合を決めるサービスエースはなぜ生まれたのか? 佐藤淑乃を蘇らせた仲間たちの判断とプレー
ポーランドは直近の世界ランキングが5位で、6位の日本とほぼ五分。ホームの利があるとはいえ、楽な戦いになるはずはなかった。日本は第1セットを20-25、第2セットを14-25で落とし、敗退の瀬戸際に追い込まれた。しかしここから25-19、25−21、15-13と3セットを連取し、フルセットの逆転勝利を飾った。
決勝ラウンドは7月22日から中国で開催される。準々決勝の相手はブラジル(世界ランキング3位)に決まった。
佐藤淑乃のエースで試合が決着
重圧のかかる状況でサーブの順番が回ってきたのも佐藤だった。彼女のサーブはネットをかすめて相手コートの方向に沈み、試合を決めるエースとなった。
佐藤は膝からコートに崩れ落ち、彼女を包むように選手たちの大きな輪ができた。第4セット、第5セットと「熱」が急上昇していたAsueアリーナ大阪の7千人を超す大観衆も、総立ちで歓喜を共にした。
もっとも試合の直後も、報道陣に向き合っている瞬間も、佐藤の表情は少しこわばって見えた。佐藤は試合が決まった瞬間の気持ちをこう言葉にする。
「始まったときから本当にずっとしんどいゲームでした。個人としてもなかなかスパイクが決まらなかったし、常にプレッシャーがかかった試合でした。それが解けたというか、安心したというのが一番大きいかもしれないです」
相手のブロックや戦術との兼ね合いがあるとはいえ、この試合で佐藤が記録したスパイク決定率は27%と低調だった。第3セット以降はチームとともに決定率は上がってきていたが、試合後の佐藤は反省の言葉が多かった。
「自分の中であまりいいイメージはありません。大事なところでミスが出てしまったりしました。ただその中でもゆっこ(和田由紀子)も(石川)真佑さんもずっと決め続けてくれていたので、それが本当に勝てた要因だなと思っています。自分自身は最後まであまりよくなかったです」
第5セットの土壇場で、ビッグプレーを連発した佐藤の勝負強さは称えていい。一方で佐藤がチームメイトに「救われた」試合だったことも間違いない。