王者アルゼンチンに潜む不安 スイスは堅守速攻で突破口を開けるか
対戦成績はアルゼンチンが圧倒的有利
歴史は時に、ピッチ上の選手たちに見えない重圧としてのしかかる。アルゼンチンにとっては自信を深める材料となり、スイスにとっては乗り越えるべき壁として立ちはだかるだろう。過去のデータが再び繰り返されるのか、あるいはスイスが新たな歴史の1ページを刻むのか。この一戦は前回王者に対して、スイスが挑む構図となるだろう。
欧州予選から一度もリードを許していないスイス
得点力も圧巻だ。現在、W杯では14試合連続でゴールネットを揺らし続けている。最後に無得点に終わったのは、2018年ロシア大会グループステージのクロアチア戦(0-3)までさかのぼらなければならない。さらに、直近の11試合ではすべて複数得点を記録しており、これは1930年から1954年にかけてウルグアイが達成した記録に並ぶ、W杯史上最長タイの偉業である。
この攻撃陣を牽引するのが、今大会すでに8得点を挙げているリオネル・メッシだ。南米の選手がW杯の同一大会でこれ以上のゴール数を記録したのは、1950年ブラジル大会のアデミール(9得点)ただ一人であり、歴史的記録の更新も目前に迫っている。
対するスイスの強みは、その堅牢な守備にある。今大会、予選から本大会までの通算11試合(欧州予選6試合、W杯本戦5試合)を戦い、一度も相手にリードを許していない唯一のチームとなっている。
これは驚異的な安定感の証明だ。W杯での南米勢との対戦は通算10試合で1勝3分6敗と苦手にしてきたが、今大会のベスト16ではコロンビアを相手にスコアレスドローの末、PK戦で勝ち上がるなど、その粘り強さを見せつけた。アルゼンチンの破壊的な攻撃力が、スイスの鉄壁をこじ開けられるかが、試合の大きな焦点となる。