王者アルゼンチンに潜む不安 スイスは堅守速攻で突破口を開けるか

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リオネル・メッシを擁する前回王者のアルゼンチンと、堅守を誇るスイスの90分は接戦になるのか 【Photo by Justin Setterfield/Getty Images / Photo by Alex Grimm/Getty Images】

 現地時間11日(日本時間12日)、カンザスシティにて行われる北中米ワールドカップ準々決勝で、アルゼンチンとスイスが激突する。連覇を目指すアルゼンチンと、72年ぶりのベスト8進出で勢いに乗るスイス。王者と伏兵が相まみえる、4強最後の椅子を懸けた一戦を、Opta Factsを基に掘り下げていく。

対戦成績はアルゼンチンが圧倒的有利

今大会の得点ランキングでもトップタイである“神の子”リオネル・メッシの活躍を楽しみにしているファンは多い 【Photo by Andrew J. Clark/ISI Photos/ISI Photos via Getty Images】

 これまでの対戦成績は、一方的にアルゼンチンへと傾いている。W杯の舞台では過去2度対戦し、1966年イングランド大会で2-0、2014年ブラジル大会では1-0と、いずれもアルゼンチンが勝利を収めてきた。この2戦を含め、国際Aマッチにおけるスイスの対アルゼンチン戦績は7戦して未勝利(2分5敗)という厳しいものだ。スイス代表にとって、これほど勝利から遠い相手は、ソ連時代を含め通算12戦未勝利のロシアしか存在しない。

 歴史は時に、ピッチ上の選手たちに見えない重圧としてのしかかる。アルゼンチンにとっては自信を深める材料となり、スイスにとっては乗り越えるべき壁として立ちはだかるだろう。過去のデータが再び繰り返されるのか、あるいはスイスが新たな歴史の1ページを刻むのか。この一戦は前回王者に対して、スイスが挑む構図となるだろう。

欧州予選から一度もリードを許していないスイス

今大会のスイスを語るうえで堅牢な守備は外せない。予選から本大会までの通算11試合で一度も相手にリードを許していない唯一の国だからだ 【Photo by Indrawan Kumala/NurPhoto via Getty Images】

 今大会の両チームの戦いぶりは、まさしく「矛と盾」の対決と呼ぶにふさわしい。アルゼンチンは、その攻撃力で他を圧倒してきた。前回大会の初戦でサウジアラビアに敗れて以降、W杯では11試合連続無敗(9勝2分)を継続しており、これは同国史上最長の記録である。

 得点力も圧巻だ。現在、W杯では14試合連続でゴールネットを揺らし続けている。最後に無得点に終わったのは、2018年ロシア大会グループステージのクロアチア戦(0-3)までさかのぼらなければならない。さらに、直近の11試合ではすべて複数得点を記録しており、これは1930年から1954年にかけてウルグアイが達成した記録に並ぶ、W杯史上最長タイの偉業である。

 この攻撃陣を牽引するのが、今大会すでに8得点を挙げているリオネル・メッシだ。南米の選手がW杯の同一大会でこれ以上のゴール数を記録したのは、1950年ブラジル大会のアデミール(9得点)ただ一人であり、歴史的記録の更新も目前に迫っている。

 対するスイスの強みは、その堅牢な守備にある。今大会、予選から本大会までの通算11試合(欧州予選6試合、W杯本戦5試合)を戦い、一度も相手にリードを許していない唯一のチームとなっている。

 これは驚異的な安定感の証明だ。W杯での南米勢との対戦は通算10試合で1勝3分6敗と苦手にしてきたが、今大会のベスト16ではコロンビアを相手にスコアレスドローの末、PK戦で勝ち上がるなど、その粘り強さを見せつけた。アルゼンチンの破壊的な攻撃力が、スイスの鉄壁をこじ開けられるかが、試合の大きな焦点となる。

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