週刊ドラフトレポート2026

社会人の注目右腕! 大卒3年目に飛躍したパワーピッチャー、関西社会人を代表する本格派

西尾典文

ともに本格派右腕として注目を集めている磯貝和賢(Honda)と柿本晟弥(パナソニック) 【撮影:西尾典文】

 秋に行われるドラフト会議に向けて、年間400試合以上のアマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組では解説も務めるベースボールライター西尾典文さんが、有望なアマチュア選手を毎週レポートします。今回は社会人で注目を集めている2人の本格派右腕を紹介します。

トミー・ジョン手術から復活! 社会人3年目に大きく飛躍した大型右腕

Hondaの磯貝は本格派右腕として今年のドラフトでも一目置かれている 【撮影:西尾典文】

磯貝和賢(Honda 25歳 投手 185cm/95kg 右投/右打)

【将来像】山崎颯一郎(オリックス)

堂々とした体格でフォームのバランスが良く、パワーピッチングで押すスタイルも重なる
【指名オススメ球団】阪神
リリーフのやりくりに苦戦しており、抑えの世代交代も必要なチーム事情から
【現時点のドラフト評価】★★☆☆☆
支配下での指名濃厚

 今年はJABA静岡大会、JABA京都大会、JABA九州大会で優勝を果たし、東京地区の都市対抗予選でも第一代表で本大会出場を決めるなど強さが際立っているHonda。そんなチームでドラフト候補として注目を集めているのが3年目の磯貝和賢だ。

 中部大第一時代から愛知県内では評判の投手で、3年春には東海大会にも出場。中京大進学後も順調にレベルアップしていたが、4年春のシーズン中に故障で離脱し、プロ志望届を提出することなくHondaに進んだ。入社早々にトミー・ジョン手術を受けたこともあって長期離脱。2年目のシーズン後半にようやく実戦復帰を果たすと、11月に行われた日本選手権では最速157キロをマークして話題となった。

 3年目となった今年は、チームが優勝を果たしたJABA大会の3大会においていずれも勝利投手となるなど投手陣の一角に定着。その成長ぶりが感じられたのは5月27日に行われた日産自動車とのオープン戦だった。先発を任せられた磯貝は毎回のように走者を背負いながらも粘り強いピッチングを披露。5回を投げて無失点、3奪三振の好投でチームを勝利に導いた。

 大学時代から馬力は申し分なかったが、社会人でさらに体が大きくなり、楽に腕を振って速いボールを投げられるようになった。走者がいない時は140キロ台中盤とスピードは抑えめだったが、ピンチになると150キロ近くまでスピードアップし、ギアを上げることができる(この日の最速は150キロ)。さらに成長を感じさせたのが変化球で、110キロ台のカーブで上手く緩急をつけ、130キロ台のスライダー、スプリットもしっかり操ることができていた。

 迎えた6月29日の都市対抗東京地区第一代表決定戦。磯貝は1点をリードした8回途中からリリーフで登板すると、1回1/3を投げて無失点の好リリーフで見事に試合を締めくくって見せた。緊迫した場面での登板ということもあって少し慎重さが目立ち、ストレートは140キロ台後半が多かったものの、球威は申し分なく制球も安定していた。

 今年がトミー・ジョン手術から本格復帰したシーズンということを考えると、まだまだ出力も上がる可能性も高いはずだ。8月に行われる都市対抗は自身初めての全国の舞台となるが、そこで力を発揮することができれば高い順位でのプロ入りも見えてくるだろう。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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