岡本和真のオールスター滑り込み選出はあるか? ゲレロJr.出場辞退もあり「岡本のための扉が開いた」
岡本が代替選手で選ばれる可能性は…
「ラインから少し外れていた。レフトが右利きなら、少しシュートするからちょうどいいかなと思ったんですけど、左だったので、カットした方がいいなと」
瞬時に判断をしてボールを受けたとき、二塁走者はまだ三塁と本塁の中間付近。内野の芝の上にいた岡本との位置関係を考えれば、おそらくホームで刺せるタイミングである。
ところが、岡本が振り向きざまホームに投げようとしたとき、捕手のブランドン・バレンズエラ(ブルージェイズ)が一塁方向を指差していた。“オーバーラン気味の打者走者を確認しろ”という意味だが、「ホームに投げるつもりだった」という岡本は驚いた。ただ、すでにリリース直前でもあっただけに、急に送球を止めたその手からボールが抜けてしまった。いや、むしろ抜けたのがボールだけでよかった……。
「腕が抜けるかと思いましたよ」。岡本は真顔だった。
慣性の法則――ハーフスイングのときにバットがなかなか止まらないのと同じ原理だが、「なのに、叩きつけたとか書いているところもあって」と岡本は苦笑。あの状況であの形は、不可抗力である。
何より不可解なのは捕手の判断だが、残念ながら、確認する機会がなかった。
話を進める前に少し裏話をすると、オールスターの出場選手は、4日午後4時半(米西部時間)から放送されたFOXテレビの番組内で発表された。それに先立って、多くのチームが試合前にミーティングを行い、監督が選出された選手名を発表している。
ブルージェイズも一旦、午前11時10分にクラブハウスを閉じ、20分に再オープン。その10分の間に、ウラジーミル・ゲレロJr.、ディラン・シースらに選出が伝えられた。20分から監督会見が行われると、ジョン・シュナイダー監督が、メディアにも誰が選ばれたかを明かしている。
その情報には制限がかかり、テレビで発表されるまではXなどで投稿することもできないが、監督会見終了後、選ばれた選手が次々とダグアウトで取材に応じている。
ゲレロJr.は、その中でも真っ先に顔を見せたものの、その場で辞退を明かした。
「選んでもらったことには感謝をしている。しかし、腰を痛めている。後半、チームに貢献するためには、4日間しっかりと休みたい」
会見終了後、そこに居合わせた一人の米記者が耳打ちしてきた。
「これで、岡本のための扉が開いたな」
ケガなどにより出場辞退、あるいは、プレーできない場合、代替選手が選ばれる。ゲレロJr.の辞退で、ア・リーグの内野の枠が一つ空いた。早速7日、打率.284、20本塁打、OPS.921(7月6日現在)のウィルソン・コントレラス(レッドソックス)が代替選手として選ばれたが、6月の月間最優秀新人賞を受賞した岡本は、ア・リーグの内野手において代替候補の2〜3番手。必ずしもケガで出られない選手が三塁手である必要はなく、その縛りは緩い。野手の代替出場は投手ほど多くないものの、ア・リーグの内野手は昨年、4人も直前で選手が入れ替わっており、米記者の言わんとしていることには、そうした含みもある。