熱波のアルプス決戦、古江彩佳ら日本勢に勝機は? エビアン選手権の見どころ

塩畑大輔

【Photo by Matthew Lewis/Getty Images】

 今季海外女子メジャー第4戦『アムンディ エビアン選手権』が7月9日、フランスのエビアンリゾートGCで開幕する。

 日本勢は大会史上最多の16選手が参戦。2024年大会を制した古江彩佳に続く優勝はなるか。U-NEXTの『日本勢徹底マークLIVE』で4日間解説を務める米山みどりプロが大会の見どころを語る。

なぜ日本勢が活躍できるのか…コースの特徴

 『アムンディ エビアン選手権』はミネラルウォーターでも有名なフランスのリゾート地、エビアンで行われます。会場のエビアンリゾートGCからは、アルプス山脈やレマン湖を望むことができ、コース自体もとても美しく整備されています。

 そしてこのコースは、日本人との相性の良さでも知られています。メジャー昇格までの1997年には、現・日本女子プロゴルフ協会会長の小林浩美プロが優勝。2009年には宮里藍プロが米女子ツアー初優勝を果たし、2011年には宮里藍プロが、2日目終了時点で単独首位だった佐伯三貴プロを逆転して再び優勝しています。

2009年、宮里藍はエビアンマスターズで米女子ツアー初優勝 【Photo by Stuart Franklin /Getty Images】

 そしてメジャー昇格後の2024年には、古江彩佳選手が日本勢4人目のメジャー覇者となりました。これだけ日本勢が成果を挙げてきたのには、やはり理由があると思います。日本によくある山岳コースと非常によく似ているから、というのが考えられます。

 山の中腹を上ったり、下ったり、横切ったりするレイアウトのコースは、各ホールとも距離は短いものの横幅がやや狭く見え、セカンドショットも傾斜地から打つことになります。

 加えて、グリーン上の傾斜も強いので、ボールが止まるところ、パットが狙いやすいところにピンポイントでショットを止める必要もあります。

2009年大会最終日、優勝争いの中でプレーする宮里藍。傾斜地から傾斜地へのショットが続く 【Photo by Stuart Franklin /Getty Images】

 どこからならピンを狙えるのかを計算してティーショットを打つマネジメントや、様々な傾斜から精度の高いショットを打っていく技術が問われる。そうしたあたりに慣れていて、対応にも長けているからこそ、日本勢がずっと活躍してきているのだと思います。

 日本勢にチャンスがある大会だというイメージをみんなが持てているということも、必ずプラスに働くと思います。加えて今回は日本勢が史上最多の16選手も出場することもあって、競い合うように上位に入ってきてくれるものと期待します。

2006年大会でプレーする宮里藍。レマン湖を望む風光明媚なコース 【Photo by Dean Mouhtaropoulos /Getty Images】

メジャーの季節に照準。真の世界トップとなった2人

 特に期待したい選手は、やはり古江彩佳選手です。優勝経験者だから普通に考えて…というのももちろんですが、加えて今年はドライバーがよく飛んでいます。

 もともとセカンドショットの精度は非常に高い。先月の全米女子プロ選手権では、体調不良に苦しみながらも上位争いに加わり続け、19位に入っています。コンディションが整えば優勝争いに加わる可能性は十分にあるとみています。

2024年、エビアン選手権で優勝し祝福される古江彩佳 【Photo by Valerio Pennicino /Getty Images】

 それから、山下美夢有選手にも期待できると思います。傾斜地からでも体幹がぶれず、平地とほとんど同じスイングで打っていきます。加えて、傾斜から打ったときのキャリーの距離と、そこからどれくらいランが出るのかを、おどろくほど正確に計算できている。このコースを攻略するための能力を持ち合わせた選手、と言えると思います。

 全米女子プロ選手権では、とにかくパターが決まってくれなかったのですが、それでも12位と日本勢最上位には入ってきた。そういう100%ではない状態でも結果が出せていると、自分の中で足りないものが埋まって「行ける」となった瞬間に、最後のアクセルが踏めるようになります。

山下美夢有 【Photo by Icon Sportswire /Getty Images】

 バーディーパットが決まらなくても、最後までピンを攻めていった全米女子プロ選手権の流れが、エビアン選手権まで続いてくれているといいなと期待しています。彼女は冷静に自分自身を分析できているので、おそらく大丈夫じゃないかと。目先の試合の調子だけじゃなく、中長期でみた内容、流れをみている印象で、さらにレベルが上がっている気がします。

 海外メジャーが2か月の間に固まっているこの時期に、古江選手も山下選手もしっかりと調子のリズムを合わせてこられるというのも素晴らしい。本当の意味で世界のトップオブトップに加わってきているのだなと、あらためて思います。

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著者プロフィール

1977年4月2日茨城県笠間市生まれ。2002年に新卒で日刊スポーツ新聞社に入社。サッカーの浦和レッズや日本代表、男子ゴルフ、埼玉西武ライオンズなどの担当記者を務める。2017年にLINE NEWSに移籍し、トップページの編成やオリジナルコンテンツ企画を担当。note、グノシーをへて、2024年7月からU-NEXTに所属。

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