フランスを脅かす「アフリカの壁」 カタール準決勝の再現か、モロッコの雪辱か

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今大会で得点王争いを演じているキリアン・エムバペ(左)を擁するフランスに立ちはだかるのは、絶対的な守護神ヤシン・ブヌ(右)を擁するモロッコ 【Photo by Jordan Bank - FIFA/FIFA via Getty Images / Photo by Joe Buvid/ISI Photos/ISI Photos via Getty Images】

 2022年カタールワールドカップ(W杯)準決勝で対戦した記憶も新しい中、現地時間7月9日(日本時間10日)に、フランスとモロッコが再び激突する。記録とプライドが交錯するこの一戦は、両国のサッカー史に新たなページを刻むことになるだろう。優勝候補としてここまで圧倒的な攻撃力を武器に勝ち上がってきたフランスと、雪辱に燃えるモロッコ。ベスト4進出が懸かる注目の一戦を、Opta Factsを基に展望する。

対戦成績はフランス優位だが……

フランスはこれまでのモロッコ戦で4勝2分と圧倒しているが… 【Photo by Buda Mendes/Getty Images】

 フランスとモロッコが国際Aマッチの舞台で相まみえるのは、今回が通算7度目となる。過去6戦の対戦成績はフランスの4勝2分と、データ上はフランスが圧倒的な優位を保っている。両者が唯一、国際大会で対戦した前回カタールW杯準決勝においても、フランスが2-0で勝利し、決勝へと駒を進めた。この記憶は、モロッコにとって乗り越えるべき大きな壁として、フランスにとっては再現したい成功体験として、選手たちの心に深く刻まれているはずだ。

 しかし、そのフランスも盤石ではない。今世紀以降のW杯で喫した黒星(PK戦除く)は6つあるが、そのうち半数にあたる3敗はアフリカ勢を相手にしたものだ。同期間におけるアフリカ勢との通算7試合で3敗という数字は、欧州勢(15戦2敗)や南米勢(9戦無敗)との対戦成績と比較しても、その苦手意識を浮き彫りにしている。過去の対戦成績とは裏腹に、フランスにとってアフリカの強豪は常に脅威であり続けてきた。

3大会連続ベスト4へ、指揮官が挑む金字塔

2012年から14年に渡り、自国を指揮してきたディディエ・デシャン監督には、新たな金字塔の期待も懸かる 【Photo by Maddie Meyer - FIFA/FIFA via Getty Images】

 このモロッコ戦は、フランスにとって歴史的な意味を持つ一戦でもある。勝利すれば、2018年ロシア大会(優勝)、2022年カタール大会(準優勝)に続く、W杯3大会連続でのベスト4進出が決定する。この偉業を過去に成し遂げたのは、ドイツ(1982-1990年、2002-2014年)とブラジル(1994-2002年)の2カ国のみであり、フランスが新たなサッカー史の1ページにその名を刻むことになる。

 チームは現在、公式戦直近12試合で7連勝を含む11勝1分と好調を維持しており、この一戦に勝利すれば2004年以来となる8連勝以上(当時は14連勝)を記録する。

 チームを率いるディディエ・デシャン監督にとっても、この試合は特別なものとなる。監督としてW杯通算25試合目の指揮となり、これはドイツの伝説的監督ヘルムート・シェーンが持つ歴代最多記録に並ぶ。すでに監督としてのW杯通算勝利数では19勝と単独トップに立つ名将が、自身の記録に新たな金字塔を打ち立てようとしている。

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