高校野球2026・夏の地方大会「エリア別大展望」

甲子園切符は浦和学院か花咲徳栄か、それとも…? 激戦区・埼玉を徹底分析

昨秋、今春と県決勝で戦った浦和学院と花咲徳栄。この夏も両校そろって勝ち上がり、みたび決勝で相まみえるか 【YOJI-GEN】

 浦和学院と花咲徳栄が昨秋、そして今春と埼玉県大会決勝で戦った。秋は後者が勝ち、春は前者が勝利。7月8日に開幕する第108回全国高校野球選手権埼玉大会でも、決勝で対戦する可能性は十分ありそうだ。ここでは、甲子園出場をかけて争う両チームを主に戦力面から比較。併せて、この2強の牙城を崩し得る県内の他の有力校も見ていきたい。

昨年は11年ぶりにそろって春夏の甲子園を逃したが…

 2025年は埼玉の高校野球を引っ張る「2強」にとって不本意な1年となった。

 春の選抜に初出場した浦和実が4強と躍進。夏の全国選手権では叡明が初出場し、1回戦で津田学園(三重)に敗れはしたが、延長12回4-5の熱戦を演じた。

 浦和学院、花咲徳栄がそろって春夏の甲子園を逃すのは、2014年以来11年ぶりのことだった。

 埼玉の勢力図は変わるのか。

 そんなムードを真っ向から否定するかのように、今夏はこの2強の一騎打ちムードが漂う。

 両チームは昨秋、今春と県大会決勝で対戦した。秋は花咲徳栄が3-2で逆転勝ちし、春は浦和学院が11-7で打ち勝った。夏はどちらも勝ち上がれば、決勝でみたび顔を合わせることになる。

浦学の打線は一冬で別のチームのように力強く

強打のトップバッター玉榮から始まる浦学の上位打線は、全国でも屈指の破壊力を持つ 【YOJI-GEN】

 負ければ終わりのトーナメントで、決勝までの道のりは当然、長い。浦和学院の蜂巣祥万、花咲徳栄の本田新志の両主将(いずれも3年)はともに「一戦必勝」を誓いつつ、ライバルとの頂上決戦も強く意識する。

 本田が浦和学院について「冬場に打線の力を上げてきたなと、率直に思う」と言えば、蜂巣も花咲徳栄を「エースの黒川(凌大)投手を中心にレベルの高さ、完成度をすごく感じる」と警戒する。両者が共通して、もし夏戦えば「互いに3点前後の接戦になりそう」というイメージを持っているのはおもしろい点だ。

 2人の言葉の通り、打力なら浦和学院が一枚上、エースの安定感なら花咲徳栄が優位という印象がある。

 浦和学院の打線は一冬で別のチームのように力強くなった。前年はなかった朝の筋力トレーニングにより、各選手がパンプアップした。ベンチプレスの重量が80キロから110キロに、フルスクワットが90キロから140キロになった1番の玉榮久豊(3年)は、春の県大会準決勝で2本塁打を放った。

 玉榮、藤澤昴輝、鈴木謙心、内藤蒼(いずれも3年)と続く上位打線のパンチ力は全国でも屈指で、春の直接対決でもこの4人だけで計10安打を放った。昨秋は4番に座ることもあった藤澤が2番に入ることで、超攻撃的な打線が組み上がった。

 また玉榮が二塁、三塁、捕手を守れることで、野手陣は状態によって入れ替えながら戦うことも可能。実際に春は玉榮がメインで三塁を守りつつ、決勝では捕手で先発し、正捕手の内藤が指名打者に回った。このときに三塁に入る2年生の大宮翔も、攻守にレベルが高い。

 今春の選抜大会で8強入りした花咲徳栄の打線も、つながりの良さでは負けていない。

 キーマンは岩井隆監督の次男で1番・遊撃手の岩井虹太郎(3年)。安定感、長打力、そして勝負強さも兼ね備えた右打者で、重要な試合になるほど頼りになる存在だ。

 3番・笹崎昌久、4番・佐伯真聡、5番・奥野敬太(いずれも3年)の中軸は秋から不動。6番に座る主将の本田も春の関東大会で本塁打を放つなど、力をつけてきた。

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著者プロフィール

朝日新聞東京本社スポーツ部記者。2005年に朝日新聞入社後は2年半の地方勤務を経て、08年からスポーツ部。以来、主にプロ野球、アマチュア野球を中心に取材をしている。現在は体操担当も兼務。1982年生まれ、富山県高岡市出身。自身も大学まで野球経験あり。ポジションは捕手。

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