暑くなると打ちまくる「夏男」は都市伝説か? データで検証した真夏に強い打者ランキング

DELTA

昨年夏に打ちまくった現ホワイトソックスの村上宗隆 【写真は共同】

 毎年ペナントレースの行方を決めるのは夏だ。そして多くの場合優勝を争うチームには、この夏場に調子を上げ、チームに追い風を吹かせる「夏男」がいる。読者の頭の中にも、印象深い「夏男」がいるかもしれない。今回は過去のデータから実際にどんな打者が夏に好成績を残しているのかを見ていきたい。

夏に本領を発揮する理由とは

これまで夏に暴れてきたレイエス。今年の夏も期待できるか 【写真は共同】

 まず直近の夏の成績として昨季7・8月のOPS(出塁率+長打率)を見てみよう。これを見るとNPBを代表する強打者がずらりと並ぶ。トップは村上宗隆(元ヤクルト)。それに続くのが近藤健介(ソフトバンク)、フランミル・レイエス(日本ハム)。過去数年のNPB最強の3人といって差し支えないレベルの打者たちだ。ただこの成績をもって、彼らのことを「夏男」としても読者として違和感を抱くはずだ。というのも彼らは夏に限って優秀という話ではなく、いずれの季節においても優れた打者だからである。ここではどうではなく、夏に限って強い「夏男」を抽出したい。

【データ提供:DELTA】

 そこで今回は3~6月を春、7・8月を夏と定義。その中で成績差が大きい選手を「夏男」とした。通常時に比べ7・8月に大爆発している打者は誰であろうか。以下が2014-25年の期間を対象に集計した現役「夏男」ランキングだ。春・夏両方の期間でそれぞれ300打席以上をクリアしている選手を対象としている。

 これを見ると、トップに立ったのはさきほども名前が挙がったレイエス。さきほどいずれの季節においても優れた打者と紹介したが、少なくとも過去2年については夏に好成績が偏っていたようだ。昨季まで3~6月のOPSは.780。そこまで傑出したものはないが、7・8月は.992。夏場に一気に成績を上げている。

【データ提供:DELTA】

 レイエスの夏男ぶりが目立ったのは来日初年度の2024年だ。3~6月はOPS.681。本塁打もわずか4本にとどまり、不振により出場登録を抹消されることもあった。しかし7・8月には12本塁打と急加速。夏男ぶりを見せつけた。もしかしたら単純に夏に強いというよりも、NPBに慣れたという側面もあったかもしれない。ちなみに今季のレイエスは夏場を迎える前にすでに絶好調とも言える状態にある。夏場を迎えてさらに調子を上げるようなら凄まじいシーズンになりそうだ。

 レイエスに続く夏男ぶりを見せているのが平沢大河(西武)、古賀悠斗(西武)。それぞれ3-6月のOPSは.457、.520と低迷しているが、夏場になるとOPSを.200以上アップさせてきている。この2選手もレイエス同様、今季は春の時点でかなり好調な打者だけに、夏の出来も気になるところだ。

 今季DeNAからソフトバンクに移籍した山本祐大も夏に強い打者だった。特に昨季は3~6月のOPSが.561。夏場に入った7月ですら.523と低迷していたが、8月に.998と大爆発。夏の中でも最も暑い8月にピークを迎える極端な夏男ぶりを見せた。今季は長期離脱により得意の夏場に試合出場できそうもないのが残念だ。

 10位の森下翔太(阪神)も夏場に強い印象がある人が多いだろう。特に傾向が顕著だったのがルーキーイヤーの2023年。6月時点でOPSは.458とプロの壁に苦しんでいたが、7・8月の夏場に入ってOPS.774と一気にその能力を発揮しはじめた。さきほどレイエスについてNPBに慣れて適応できたのではないかという旨を指摘したが、この森下についても同じく環境への慣れがあったのかもしれない。「夏男」は気温などといった単純な話ではなく、夏という季節がある程度試合数をこなしたシーズンの中盤~終盤に位置することも関係しているのかもしれない。

 そのほかに球界きっての「夏男」と言われる藤原恭大はトップ10には入らず11位。春に比べて夏はOPSを.118も上昇させていた。藤原について印象深いのは2024年だろう。春先は故障に苦しみ出場も少なかったが、6月末に出場登録されると以降は大爆発。不安定な立場から、8月以降はクリーンナップを任される機会も増えるなど、中心選手としての地位を確立した夏となった。

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