高校野球2026・夏の地方大会「エリア別大展望」

大阪桐蔭の仕上がりは? 打倒センバツ王者を目指す有力校は? 全国屈指の激戦区「大阪」の26年夏を占う

沢井史

大阪桐蔭の対抗馬としてまず挙がるのが、春の府大会を制した履正社だろう。3年ぶりの夏の甲子園を目指す 【YOJI-GEN】

 7月4日に開幕する第108回全国高等学校野球選手権大阪大会。165校153チームが参加する全国屈指の激戦区は、いったいどんな夏になるのか。センバツ優勝の大阪桐蔭が本命なのは間違いないが、他にも実力校が目白押し。春夏連続の全国制覇を目指す超名門の仕上がり具合をお伝えするとともに、その牙城を崩さんとする有力校や注目校を紹介する。

春夏連覇への挑戦よりも2年ぶりの夏の聖地への思いを強くして

やはり本命は大阪桐蔭。川本の離脱は痛いが、エースの吉岡(写真)が復調してきたのは大きい 【写真は共同】

 今春のセンバツで4年ぶりに全国優勝を遂げた大阪桐蔭。優勝投手となった2年生の大型左腕の川本晴大、エースの150キロ右腕・吉岡貫介(3年)は今春の府大会では登板がなかったが、左腕の小川蒼介(3年)や右腕の小泉凛太郎(3年)らが経験を積んだ。

 今春の府大会は準決勝で敗れたが、黒川虎雅(3年)主将は「このままでは夏は勝てないということを教えてもらった」と前向きに捉えている。6月は週末ごとに秋田、富山などの招待試合に出向き、控え選手も経験を積んだ。

 小川は富山での試合で無安打無失点を達成するなど、夏に向けて万全。またセンバツでは右肩の状態が上がらなかった吉岡が復調の兆しを見せており、6月末の練習試合では7回を無失点。ストレートが149キロを計測したように球威も戻ってきている。西谷浩一監督は「(準決勝敗退は)単に力がなかっただけ。油断しているというのも全くなくて、そんなに簡単に勝ち続けることができないということを思い知ったのでは」と春の府大会を振り返る。

 5月末からは毎年恒例の夏に向けた強化練習を敢行し、酷暑を見据えた体力強化も順調に進んでいる。昨夏は府大会決勝で東大阪大柏原に惜敗し、甲子園にたどり着けなかった。黒川主将は「センバツで優勝できたことよりも、夏の悔しさは夏にしか晴らせないと思っている。3学年で力を合わせて、夏はまず大阪を勝ち切ることしか考えていない」と、春夏連覇への挑戦よりもチームとして2年ぶりの夏の聖地への思いを強くしている。

 大会直前のメンバー変更により、センバツ優勝投手の川本がベンチ外となったのは確かに誤算だ。本格復帰した吉岡、小川らでどうつないでいくか。西谷監督の投手起用に注目したい。

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履正社の打線は今年も破壊力十分

大院大高は150キロ超の剛速球を誇る林を擁し、野手陣も粒揃い。戦力は大阪桐蔭、履正社に次ぐレベルにある 【YOJI-GEN】

 大阪桐蔭に迫るのは、やはり長年ライバルと言われてきた履正社か。エース右腕の木村颯(3年)は最速147キロの速球が武器で、三振も奪える本格派。冬を越えて安定感が増し、春準決勝の大阪学院大高戦では10個の三振を奪い、強力打線をわずか1安打に抑える完封勝利を挙げた。

 祖父、父が元プロ野球選手で、中軸を打つ右の長距離砲・辻竜乃介(3年)や、同じく長打力のある金光祥玄(3年)らを中心とした打線は今年も破壊力十分だ。昨秋は5回戦で涙を呑んだが、やはり夏に向けてきっちり仕上げてきている。
 
 その“2強”に次ぐ戦力を誇るのが大院大高だ。1年生だった昨春から剛速球を披露していた林将輝(2年)は今春の府大会で自己最速の153キロをマーク。登板のない試合は主に外野手として出場し、長打も放つ二刀流ぶりが光る。1年春からレギュラーの鶴丸巧磨(3年)、樋爪信(3年)、この春から中軸打者として気を吐く柿谷樹希哉(3年)ら野手もタレント揃いで、投打にレベルが高い。

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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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