東北楽天の「017」→韓国で「19」背負うローテ左腕に スカウト期待通りの活躍、その先狙うは…
その番号を背負って投げることにやりがいを感じている投手がいる。韓国KBOリーグでプレーする台湾出身左腕、ハンファの王彦程(ワン・イェンチェン、25)だ。
王彦程は昨季まで7シーズン、楽天で育成選手として過ごした。その間、背にしていた数字は「017」。
いま、王彦程は二ケタの番号が施されたユニフォームを纏い、たくさんの観客の前でマウンドに立っている。
「とっても充実しています」。王彦程は2度目の異国の地で笑顔を見せる。
先発として期待通りの活躍
王彦程は今季、KBOリーグで新導入の外国人選手制度「アジアクォーター制(アジア枠)」でハンファ入りした。同制度はアジアまたは豪州国籍の選手を、これまでの外国人枠とは別に1人獲得できるもの。その第1号が王彦程だった。
「うちのチームは王彦程、一択でした」(ハンファ球団編成担当)
ハンファは同制度導入を翌年に控えた2025年シーズン、アメリカ視察がメインだった海外スカウト陣をNPBのファームに集中的に派遣した。
調査を続ける中で第一候補としてリストアップしたのが、チームが求める「左の先発投手」として役割を果たす王彦程だった。昨季の王彦程はイースタン・リーグで116イニングを投げて10勝をマークした。
日本仕込みの長所と課題
「楽天ではたくさんの人たちにお世話になりました。特に先輩の宋(家豪)さん、小山コーチ(伸一郎=現BC・千葉コーチ)にはフォームのアドバイスをしてもらいました」
セットポジションから上げた右足を、軽く下げてからもう一度上げる二段モーション。その「タメ」のきいた投球フォームと安定したコントロールに、「さすが日本仕込み」とハンファ首脳陣は言う。
平均144キロの直球と多彩な変化球を、両サイドの低めに丁寧に投げ込んでいく王彦程。その配球は捕手とともに組み立てている。
「ピッチコムで自分から球種とコースを決めて出す時もありますし、捕手が主導してサインを出す時もあります。バッターの様子を見ながら、捕手と何を投げるか決めています」
王彦程は相手打者と駆け引きをしながら抑えていこうとする。その特徴は、特に回の頭の投球に表れる。
奪三振68個は1位のクァク・ビン(トゥサン)の100個と32個の差があるが、無死での奪三振は31個でリーグ3位と多い。1位のクァク・ビンとは2個差だ。
一方で無死での四球も15個と多く(リーグ3位)、1イニングあたりの投球数は17.6球。規定投球回到達者の中で最多だ。
「球数が多くなってしまって、5回までしか投げられなかった試合も多いです。この部分は改善していかなければいけないと感じています」
6月26日のSSG戦に先発した王彦程は、5回2/3、93球を投げて被安打6、四球1、失点1と好投。6勝目を挙げた。三振5つのうち4つが、回の先頭打者から奪ったものだった。