FA権取得の八村塁に迫る「人生最大級の決断のとき」 レイカーズ残留が確実とは言えない事情と、2つの移籍先候補
大好きなレイカーズ残留が第一希望だが
昨季(2025-26シーズン)で3年5100万ドル(約82億円)の契約が満了した八村は、晴れてFA権を取得。その新契約の行方に、日米双方のファン、メディアが熱い視線を注いでいる。
「正直、(FAについては)まったく考えていません。もちろん自分がFAになることは分かっていたけれど、そういうことを考えながらプレーしていたわけではありません。ただ、このチーム(=レイカーズ)のことは大好きです」
プレーオフのカンファレンス準決勝でオクラホマシティ・サンダーに敗れ、シーズンが終了した後の会見で、八村はそう述べていた。本当にFAのことが頭になかったかどうかはともかく、「レイカーズが大好き」という彼の言葉を、誰も疑いはしないだろう。昨季まで3シーズン半を過ごしたチーム、スタッフはもちろん、何よりもロサンゼルスでの生活を気に入っているという話は、多くの関係者から漏れ伝わってくる。
だとすれば、残留が第一希望のはず。まずはNBAを代表する名門チームであるレイカーズとの再契約が成立するかどうかが、見どころとなるのだろう。
昨季プレーオフでの八村は計10試合(すべて先発)の出場で、平均17.5点(FG成功率54.9パーセント)、4.0リバウンド、1.7アシストと大活躍。特にロングジャンパーが絶好調で、3ポイント(3P)は10試合のすべてで成功率50パーセント以上を記録し、シーズン中まで振り返っても、なんと15試合連続で50パーセント越えを果たした。ディフェンスがよりハードでタイトになるプレーオフで、3P成功率をシーズン中よりも高めたのは見事としか言いようがない。
NBA7年目にして“ビッグゲームシューター”の名声を勝ち取り、しかも年齢的にも28歳と今が最盛期。個人としては最高のタイミングでFAマーケットに出ようとしている。
レブロンらと再契約なら財政は圧迫される
エースのルカ・ドンチッチを中心としたチーム作りを目指すレイカーズから、八村以外にもレブロン・ジェームズ、ルーク・ケナード、ジャクソン・ヘイズが完全FAとなる。さらにオースティン・リーブス、マーカス・スマート、デアンドレ・エイトンはプレーヤーオプションを保有し、いずれもFAを選択する可能性が高い。これだけ多くの選手がFAとなれば波乱の展開が予想され、20年以来の優勝を目指すチームが激動の時間を過ごすかもしれない。
オフはすでに動き始めている。6月23日(現地時間、以下同)のNBAドラフト1巡目で、身体能力の高いスコアラーのキャメロン・カー(ベイラー大)を指名したレイカーズは、その翌日にはもともとプライオリティーと目されていたリーブスと4年総額1億8500万ドル(約300億円)の新契約に合意したと伝えられた。
リーブスは昨季に自己最高の平均23.3得点をマークし、年齢的にも八村と同じく今が働き盛りの28歳。ドンチッチとリーブスの関係の良さを考えれば再契約は基本線で、ここまでは想定内の流れと言えよう。
次の焦点はNBA史上最大級のレジェンド、レブロンの処遇だ。40歳を過ぎても力を保っているレブロンが引退するとは考えられず、昨季の年俸が5263万ドル(約85億円)だった“キングジェームズ”が、次にどのチームとどんな契約を結ぶかは実に興味深い。
レイカーズとレブロンが再契約するとして、年俸3000万ドル(約48億円)以上が必要となればチームの財政は圧迫される。『ESPN.com』はレイカーズがスマート、ケナードとの再契約も考えていると伝えており、同時にビッグマンの補強が急務であることも明白。レイカーズも間違いなく八村の力を高く買っているが、チーム構成上は必ずしもプライオリティーとは言えないだけに、一筋縄ではいかないだろう。