元日本代表DF森脇良太のW杯スウェーデン戦解説「空気を変えた長友、ブラジル攻略の鍵を握る右サイドのユニット」
日本が不得手とするサッカーを強いられたが
それは引き分けでも3位突破の可能性があるスウェーデンも同じでした。彼らはこれまでセンターバックだった選手(ヴィクトル・リンデレフ)をボランチに入れ、後ろを重くして日本の3バックの裏にロングボールを蹴り込むサッカーに徹していましたからね。
そうなると、プレッシングからボールを奪って、ショートカウンターからゴールに迫るという、日本らしい攻撃の形がなかなか作れません。どちらかと言うと日本の不得手とするサッカーを強いられて、ボランチを含めた後ろの5人と前の5人が分断されてしまった印象を受けました。ダブルボランチの鎌田大地選手と田中碧選手が、前線のラインを越えてボールに絡むようなプレーもほとんど見られませんでしたし、特に前半は互いにリスクを冒さない、堅い試合展開になりましたね。
そんな中でも56分に前田大然選手のゴールで先制できたのは、おそらくハーフタイムに森保監督が、相手ディフェンスラインの背後を突く動きを増やすように指示したからだと思います。スウェーデンの3バックはそれほど足が速くないので、そこは狙いどころでした。
でも、ああいった膠着(こうちゃく)した試合で、何かが起こる前兆もないような状況からチャンスを生み出し、そこでしっかり決め切ってしまうあたりに、今の日本代表の強さをあらためて感じました。狙っていた形であっても、ワンチャンスで仕留めるのは簡単ではありませんから。
中3日のブラジル戦を見据えた選手交代
ただ、前線にアタッカーを4枚並べ、圧力を掛けてきたスウェーデンの攻撃を受け止めきれず、わずか6分後に追いつかれてしまいます。得点した後の10分というのは、しっかりとゼロで抑えなくてはいけない時間帯なんです。残念ながらそこで失点してしまったことは、今後のノックアウトステージの戦いにおいて1つの教訓になったと思います。
その後も悪い流れを変えられず、スウェーデンに攻勢をかけられましたが、そうした状況で勝負師の森保監督らしい、したたかさが見て取れたのが、終盤の二度の選手交代でした。
堂安律選手、上田綺世選手、中村敬斗選手といった主力中の主力を残り25分を切ってベンチに下げたのは、ここからは我慢の戦いに徹し、あわよくばカウンターで追加点を狙いながら1-1で乗り切り、中3日で迎えるラウンド32のブラジル戦に備えようという意図があったからだと思うんです。