渋野日向子、痛恨の「空振り」トリプルボギーにも動じなかった理由とは…全米女子プロ選手権初日、日本勢レビュー

塩畑大輔

【Photo by Kate McShane /Getty Images】

 今季の海外女子メジャー3戦目となる『KPMG全米女子プロゴルフ選手権』が6月25日、米ミネソタ州のヘイゼルティン・ナショナルGCで開幕した。

 日本勢は、2024年エビアン選手権優勝の古江彩佳が3アンダー69で8位につけた。畑岡奈紗、岩井明愛は2アンダー70の19位、渋野日向子、西村優菜が1アンダー71の27位に続いている。

 優勝争いに割って入れるのは誰なのか。U-NEXTの独占ライブ配信で解説を務める天沼知恵子プロが各選手のプレーを振り返る。

万全の準備。想定内のミス。上位進出に期待の内容

 上位進出を予想できた選手たちが、順当に上位につけた印象はありました。

 古江彩佳選手は持ち前のショット力が、池やバンカーがしっかりきいた難コースのヘイゼルティン・ナショナルGCでも光っていました。火曜日に雨が降ってグリーンが柔らかくなり、風も弱かった午前中のコンディションもあって、非常に落ち着いたプレーができていると感じました。

 連戦をいとわないイメージがありますが、この大会に備えては、前週の『マイヤーLPGAクラシック』をスキップしてきた。おそらく万全の調整を行ってくるだろうとみていましたが、その通りの状態の良さで、今週はかなり期待できると思います。

初日を終え8位につけた古江彩佳 【Photo by Andrew Wevers/Getty Images】

 畑岡奈紗選手も終始フェアウェーキープできていて、やはり危なげない内容でした。パー3のティーショットで右へのミスがみられましたが、あれはスイング改善していることで今シーズン出がちになっている、いわばいつものミスです。

 つまり、どう対処すればすればいいのか、本人が一番よく分かっている類のミス。明日以降に引きずる心配がまったくない。むしろミスが出てこのスコアなので、出ない日はどれくらい爆発してくれるのだろうか、とワクワクさせてくれる内容。全米女子オープンでも優勝争いを演じましたが、今回もそうした活躍をみせる可能性は高いとあらためて感じました。

ショットを放つ畑岡奈紗 【Photo by Andrew Wevers/Getty Images】

 岩井明愛選手は、先週の『マイヤーLPGAクラシック』でミスが多かったパッティングを、今週はしっかりと修正してきた印象があります。

 西村優菜選手は後半の3連続バーディーが見事でした。予選落ちしたマイヤーLPGAクラシックから、ショットの状態はいいと聞いています。

27位につけた西村優菜 【Photo by Scott Taetsch/PGA of America/Getty Images】

「空振り」しても失速せず。渋野日向子、強さの理由

 渋野日向子選手については、16番パー4のトリプルボギーがとにかくもったいなかったわけですが…最後はカップのふちにあったボールをタップインしようとして空振りしてしまう形になりましたが、少しバランスを崩してしまったのかなと。

 でも、彼女も先週からずっと、内容はとにかくいいです。加えて、通常のツアー戦で結果が出ていなかったとしても、メジャーになると無類の強さを発揮しますが、これは自分に対して厳しくなりがちな性格があらわれているのかも、と思っています。

ヘイゼルティン・ナショナルGCで笑顔をみせる渋野日向子(現地23日) 【Photo by Kate McShane /Getty Images】

 私が解説でみている試合に限っても、ショットもパットもいつも十分にレベルが高い。でも、理想が高いからだと思いますが、自分のプレーに納得ができずに無意識に自分を責めてしまい、メンタル的に苦しくなってしまう傾向があるように見受けられます。

 もしも通常のツアー戦で、今日のようにトリプルボギーなどをたたいてしまったりしたら。おそらく「みんな伸ばせているのに、自分だけ何をやっているんだろう」と意気消沈してしまったことと思います。

初日のラウンド中、歩きながら話し合う渋野日向子と田谷美香子キャディ 【Photo by Kate McShane /Getty Images】

 でも、コースセッティングが難しいメジャーになると、自分を許せる余地が大きくなる。むしろ、選手の力を試してくるようなコースレイアウト、ピン位置になればなるほど、楽しそうに挑んでいく印象があります。

 初日は晴天微風で、グリーンもまだ柔らかかった。明日以降、風が強まったり、グリーンが硬くなってきたりすれば、渋野選手はさらに強さを発揮してくることと思います。

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著者プロフィール

1977年4月2日茨城県笠間市生まれ。2002年に新卒で日刊スポーツ新聞社に入社。サッカーの浦和レッズや日本代表、男子ゴルフ、埼玉西武ライオンズなどの担当記者を務める。2017年にLINE NEWSに移籍し、トップページの編成やオリジナルコンテンツ企画を担当。note、グノシーをへて、2024年7月からU-NEXTに所属。

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