代表選考合宿でアピール!東京六大学を代表する実戦派左腕、150キロ超える本格派サイド
大学選手権で8者連続三振!東京六大学を代表する実戦派サウスポー
【将来像】隅田知一郎(西武)
スライダー、ツーシームの異なる縦の変化球で三振を奪う投球スタイルは隅田に近い
【指名オススメ球団】ヤクルト
山野太一以外に安定した左の先発投手が不在で、本拠地の神宮に慣れているのもプラス
【現時点のドラフト評価】★★★☆☆
上位指名(2位以上)の可能性あり
春のリーグ戦で5季ぶりとなる優勝を果たし、続く大学選手権でも準優勝に輝いた慶応大。その原動力となったのがエースの渡辺和大だ。高松商では浅野翔吾(現・巨人)と同学年で2年夏、3年夏と2年連続で甲子園に出場。3年夏はエースとして好投し、チームのベスト8進出にも大きく貢献している。当時から高校生としては好投手だったが、ストレートは130キロ台が大半でそれほどスピードはなく、プロ志望届を提出することなく慶応大に進学した。
大学でも1年秋からリーグ戦に登板し、2年秋には最優秀防御率のタイトルを獲得。しかし昨年は春、秋ともに打ち込まれる試合が目立ち、いずれも防御率4点台と悔しい結果に終わった。
ようやく調子を取り戻したのは今年の春からだ。リーグ戦では9試合に登板し、7勝2敗、防御率1.28という見事な成績で2度目となる最優秀防御率に輝き、初のベストナインも受賞。チームの優勝に大きく貢献した。
さらに素晴らしかったのが、続く大学選手権でのピッチングだ。初戦では函館大を相手に6回を投げて被安打2、10奪三振、無失点で勝ち投手となると、準決勝では昨年の優勝チームである東北福祉大を相手に7回までノーヒットピッチングを披露。8回の先頭打者にヒットを許して大記録は逃したものの、7回1/3を投げて被安打1、大会記録に並ぶ8者連続を含む15奪三振で1失点、自責点0という圧巻の投球でチームを決勝進出に導いたのだ。決勝は疲労が考慮されて登板を回避し、チームも関西大に敗れたが、全国の大舞台で改めてその実力を示した。
高校時代と比べて明らかにアップしたのがフォームの躍動感だ。右足を高く上げて、二段モーション気味に一度タメを作ってからステップするスタイルだが、体重移動がスムーズで踏み出した右足の着地も安定している。グラブを持つ右手を高く上げても左肩が下がることがなく、下半身と上半身が上手く連動しており、全体的なフォームのバランスも良い。ストレートのアベレージは140キロ台中盤と驚くようなスピードがあるわけではないが、しっかりと指にかかったボールが目立ち、上背以上に角度があるのも持ち味だ。
渡辺の最大の武器はレベルの高い変化球だ。スライダーはスピードと変化にバリエーションがあり、特に120キロ台後半で縦に鋭く変化するボールは空振りを奪うことができる。さらに対になるシュート系のボールも130キロ台のツーシームと120キロ台のチェンジアップを投げ分け、どの球種も決め球として使えるのは大きな強みだ。函館大も東北福祉大もこれらの変化球に対応できず、面白いように空振りを奪っていた。
大学選手権後に行われた侍ジャパン大学代表候補の選考合宿の紅白戦でも疲れから少しスピードは抑えめだったものの、2回で3三振を奪うさすがの投球で代表入りを勝ち取っている。貴重な先発タイプの左腕だけに、秋も調子を落とさずに結果を残せば上位指名の可能性は高いだろう。