高校野球2026・夏の地方大会「エリア別大展望」

大阪桐蔭は春夏連覇なるか 夏の甲子園、日本一を狙える10校 

選抜優勝校の大阪桐蔭は、通算3度目の春夏連覇を果たすだけの実力を備える 【写真は共同】

 沖縄大会を皮切りにスタートした夏の高校野球は、6月下旬から7月初旬にかけて他の地区大会も開幕し、甲子園、そして日本一を目指した戦いが繰り広げられる。では今年、3000を超える全参加チームの頂点に立つ可能性を秘めているのはどこか。春季大会での戦いぶりなどを判断材料に、全国制覇を狙える10校を識者に挙げてもらった。

エース吉岡が上質な直球を取り戻せば投手陣はさらに盤石に

 高校野球を取材していると、こんな言葉をよく聞く。夏の全国選手権大会は「もっとも成長したチームが勝つ」。

 高校生の伸び率というのはすさまじい。冬のトレーニングでまいた種が、いつどんな形で根を張り、花を咲かせ、大きな果実となるか。冬から春、春から夏、そして夏の1試合、1試合。成長し続けたチームが、壮大なトーナメントで唯一の負けないチームとなる。

 今春の選抜大会を制した大阪桐蔭を、まず一番手として挙げる。

 毎年、夏までの残り半年間で個々の力、そしてチーム力をしっかり高めてくるのが大阪桐蔭の特長だ。過去20年で2008、12、14、18年と4度も夏を制している。

 史上初、3度目の春夏連覇を狙う今年も、戦力は充実している。

 選抜の決勝で3失点完投した2年生左腕の川本晴大に加え、3年生の右腕・吉岡貫介、石原慶人、左腕の小川蒼介と最速150キロ前後の投手を揃える。

 なかでも「伸びしろ」と言えるのが、エース吉岡だろう。春は肩の故障明けで、ギリギリ間に合いはしたが、球質も安定感も本来のものではなかった。打者の手元でホップするような上質な直球を取り戻せば、投手陣はさらに盤石となる。

 打線は過去に優勝した代と比べれば派手さはないが、仲原慶二(2年)、藤田大翔、内海竣太(いずれも3年)ら上位陣は安定し、つなぎの意識も浸透している。主将の黒川虎雅(3年)のキャプテンシーは抜群で、春優勝に慢心する様子も一切ない。

浦和学院の上位打線は全国でも屈指

浦和学院は昨秋からの成長が著しい。3年ぶりの甲子園出場はもちろん、全国制覇も決して夢ではない 【YOJI-GEN】

 大阪桐蔭に次ぐ存在として、選抜に出られなかった2校を紹介したい。浦和学院(埼玉)と聖光学院(福島)だ。両チームとも選抜は補欠校という立場。あと一歩で出場できなかった悔しさを糧に、冬場に大幅に力を伸ばした。

 春の関東大会で準優勝した浦和学院はとにかく打線がよく振れる。1番の玉榮久豊(3年)は春の県大会準決勝で2本塁打を放つなど、小柄ながらパンチ力が光る。藤澤昴輝、鈴木謙心、内藤蒼(いずれも3年)と続く上位打線は全国でも屈指だ。

 投手陣も春に急成長した右腕の日髙創太(3年)、2年生左腕の佐々木蓮也、身長186センチ右腕の深谷漣(3年)のほか、遊撃手の伊藤漣(3年)、外野手の西村虎龍(3年)らも準備万端。それぞれに持ち味が違うのも魅力で、夏の連戦を戦い抜く陣容は整っている。

 聖光学院は春の東北大会で頭ひとつ抜けた強さを披露した。準々決勝で八戸学院光星(青森)を9-2の8回コールド、準決勝は東北(宮城)を5-0と、選抜に出場した2校に完勝。決勝は仙台育英(宮城)との打撃戦を10-9で制した。

 野手陣の丸太のような下半身を見れば、いかに冬場のトレーニングが充実していたかが分かる。打線は上位から下位まで切れ目がない。1番遊撃手の猪俣陽向(3年)は俊足巧打で、今春の高校日本代表候補合宿にも選ばれた。

 ただ、猪俣頼みにならなくなったのが昨秋からの成長だ。2番の北島大也(3年)が決勝で3安打3打点、5番の横山孝侑(3年)が準決勝で4打数4安打と、インパクトのある活躍を見せた。

 投手陣は県大会準々決勝でノーヒットノーラン(7回参考)を達成したエース右腕の紺野耀大(3年)が軸だが、松本叶我、星湊太(いずれも3年)も長いイニングを投げられるめどが立った。

 夏の甲子園は、2001年の初出場から数えること20度出場。長らく越えられなかった8強の壁を2022年に破って4強入りしたが、今年はさらに上を狙える。

1/2ページ

著者プロフィール

朝日新聞東京本社スポーツ部記者。2005年に朝日新聞入社後は2年半の地方勤務を経て、08年からスポーツ部。以来、主にプロ野球、アマチュア野球を中心に取材をしている。現在は体操担当も兼務。1982年生まれ、富山県高岡市出身。自身も大学まで野球経験あり。ポジションは捕手。

当サイトには一部アフィリエイトリンクが含まれています。

リンクから商品・サービスをご購入いただいた場合、スポーツナビに収益が発生することがあります。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント