吉澤柚月が2位へ躍進、吉﨑マーナは149位から急浮上 国内女子ツアー第1回リランキング

北村収

『第1回リランキング』で2位に入った吉澤柚月 【Photo by Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 プロテストに合格しても、レギュラーツアーの舞台で戦う権利を得るのは容易ではない。出場順位を決めるQT(クォリファイングトーナメント)で40位前後まで入る必要があり、その順位はシーズン中に2度見直される。

 その『第1回リランキング』が先週の「ニチレイレディス」終了後に実施された。今季開幕戦から同大会までのメルセデス・ポイントをもとに順位を再編成。ここで40位前後までに入れば、今週の「EARTH MONDAMIN CUP」から9月下旬の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」までほぼ全試合に出場できる。

 前半戦の限られた出場チャンスを生かし、大きく順位を上げた選手たちに注目したい。

76位から2位へと躍進した吉澤柚月!予選落ちなしの安定感

 QT順位が50位台以下となると、レギュラーツアー出場の機会は極めて限られる。出場権を持たない選手は主催者推薦や主催者推薦選考会を突破するしかないが、その門は非常に狭い。主催者推薦には年間8試合という上限があり、推薦選考会も出場者が100人を超える大会もある中で、本戦に進めるのはわずか8〜10人程度。限られたチャンスをつかまなければツアーの舞台に立つことすらできない。

 QT76位だった吉澤柚月は、主催者推薦や推薦選考会を経てニチレイレディスまでの15試合中9試合に出場。しかも出場した全試合で予選を通過した。中でも5月の「リゾートトラスト レディス」ではプレーオフの末に惜しくも敗れたものの2位に入る活躍を見せた。その結果、第1回リランキングでは76位から2位へとジャンプアップを果たした。

5月の「リゾートトラスト レディス」では2位に入った吉澤柚月 【Photo by Atsushi Tomura/Getty Images】

 さらに注目すべきはシード選手を含むツアー全体の成績を示すメルセデス・ランキングでも17位につけていることだ。その原動力となっているのがスタッツ順位で全選手の中で6位の平均パット数(1ラウンド当たり)と、5位のパーセーブ率。パッティングの巧さに加え、ピンチをしのぎながらスコアをまとめる安定感も持ち味としている。

 今後は主催者推薦選考会を経ずに出場できるだけに、試合への準備もしやすくなる。中盤戦でのさらなる飛躍が期待される。

149位から24位へ!中盤戦出場切符をつかんでも悔しい吉﨑マーナ

 出場権のない選手にとって、主催者推薦選考会はツアーへの数少ないチャンスだ。先週の「ニチレイレディス」でも63人が参加。その中で上位8人に入り見事に本戦出場を決めたのが吉﨑マーナだった。

 本戦では主催者推薦選考会の勢いそのままに上位争いを演じ、最終日に「65」をマークして首位タイに浮上。プレーオフで敗れたものの2位タイに入り、第1回リランキングではQT149位から24位へと急浮上した。

QT149位から24位へと急浮上した吉﨑マーナ 【Photo by Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 ただ、本人は出場権確保だけでは満足していない。「リランキングをクリアするというのは通過点という風にとらえていました。今シーズンのシード権獲得と初優勝を目指してずっと頑張っていたので、すごい悔しいです」。

 中盤戦の出場権を手にしても満足することなく、見据えるのは初優勝とシード権獲得。その言葉からは高い目標に挑む強い覚悟が伝わってくる。ニチレイレディスで見せた勢いのまま、中盤戦でどのような活躍を見せるのか注目だ。

鳥居さくらは166位から37位へ。中盤戦の出場権をつかんだ選手は?

 前半戦、吉澤と吉﨑以外にも大きく順位を上げた選手たちがいる。なかでも鳥居さくらは、「Sky RKBレディスクラシック」で8位タイに入る活躍を見せ、QT166位から第1回リランキング37位へと大躍進。中盤戦の出場権を手にした。

「Sky RKBレディスクラシック」で8位タイに入る活躍を見せた鳥居さくら 【Photo by Yuichi Masuda/Getty Images】

 そのほか、QTでは40位よりも下位だったが、『第1回リランキング』で40位以内に入った選手は以下の通りだ。

仲宗根澄香 QT47位 → 第1回リランキング8位
セキ・ユウティン QT44位 → 第1回リランキング12位
藤田かれん QT46位 → 第1回リランキング20位
福田萌維 QT54位 → 第1回リランキング22位
平塚新夢 QT57位 → 第1回リランキング27位
森田遥 QT55位 → 第1回リランキング30位
山本景子 QT53位 → 第1回リランキング32位
前多愛 QT41位 → 第1回リランキング35位
髙木優奈 QT63位 → 第1回リランキング39位

過去には稲見萌寧もリランキングから飛躍!今年は誰が新たなヒロインになるのか

 リランキングは単なる出場順位の見直しではない。ここで出場権をつかんだ選手が、その後のツアーを席巻するケースも少なくない。

 その代表例が稲見萌寧だ。2018年のQTではファイナルステージ進出を逃し順位は103位。2019年前半のレギュラーツアーへの出場は主催者推薦など限られた試合数だったが、トップ10入りを3度記録し『第1回リランキング』で14位まで浮上。以降の出場権を確保すると、同年7月にツアー初優勝を果たした。

 その勢いは止まらず、2020-21年シーズンには9勝を挙げて年間女王に輝き、2021年の東京オリンピックでは銀メダルを獲得。一気に日本女子ゴルフ界を代表する選手へと駆け上がった。

 今年の『第1回リランキング』でも、吉澤柚月や吉﨑マーナをはじめ、多くの選手が大きく順位を上げて中盤戦の出場権を手にした。リランキングをきっかけにツアーで存在感を高める選手は誰なのか。シーズン後半に向け、新たなヒロイン誕生への期待が高まる。
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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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