あの世界的名手すら掟破りの暴挙に… グリーンがボールを拒む難コースの全米OP、松山英樹に活路は?
ミケルソンも暴挙に。止まらないグリーン
なぜシネコックヒルズは、コンディションの変化でそれほど難しくなるのか。
それは各ホールのグリーンが、硬くなったときの影響を非常に受けやすい形状をしているからです。
多くのグリーンで、一番手前から5ヤードほどの範囲が強い「受け傾斜」になっていて、そこに落ちたボールはすべて手前に戻ってきてしまいます。
左右も同様です。そのため、実質的にピンを狙える平らな面は、縦20ヤード、横15ヤード四方くらいしかありません。
しかし、少しでもキャリーが奥に行くと、今度はグリーン奥にこぼれてしまう。ボールをグリーン上で止めること自体が非常に難しくなります。
2018年大会では、フィル・ミケルソンがグリーン上でボールが止まらないことに業を煮やし、まだ転がっているボールをパットしてしまいました。
それもそうしたグリーンの難しさがあったからこそです。
例えば、フェードヒッターがつま先上がりのライからボールを高く上げて止めるのは至難の業です。
狙いから数ヤードずれても仕方ない難しさなのですが、それだけでボールをグリーン上に止めることはできなくなります。
しかも、全米オープン特有のラフが深いセッティングでは、ティーショットでフェアウェーを外すと、ラフから出すだけになります。
そうなると、3打目でこの非常に難しいグリーンにアプローチすることになり、すぐにダブルボギーにつながってしまう。
週末のシネコックヒルズは、本当に難しいコースなのです。
難関制する「野武士」の系譜
メジャーでは、2メートルのパーパットを決められるかが重要と言われます。
でも、グリーンにボールを止めるのが難しいこのコースでは、どうしても4メートル前後のパットが残りやすくなります。
選手のキャラクターという点では、松山英樹選手は向いていると思います。
過去のシネコックヒルズでの優勝者を見ると、ブルックス・ケプカ、レティーフ・グーセン、コーリー・ペイビン、そしてレイモンド・フロイドと、共通して「野武士」のようなタイプが多いんです。感情を表に出さず、ポーカーフェイスで淡々とプレーする選手です。
一方でフロイドに逆転を許したグレッグ・ノーマンは、最終日に観客とケンカをするほど感情を抑えられなくなっていました。
ここまで難しいコースでは、結果を謙虚に受け入れて、感情的にならずに次の1打を淡々とプレーできる選手が強い。「現実を受け入れる力」が試される会場だと思います。
松山選手はどんな結果であれ受け入れて、落ち着いて次のプレーに徹する印象があります。
そのあたりは、シネコックヒルズではきっと強みになるはずです。