「1点差なら追いつける」と誰もが信じた オランダ戦で示した日本サッカー進化の証
間違いなく大きな1ポイント
現地時間6月14日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)のグループステージ初戦。日本代表はオランダ代表と2-2で引き分けた。2度のリードを許しながら2度追いついてドローに持ち込み、SAMURAI BLUEは前日記者会見で森保一監督が「日本の強み」に挙げていた「粘り強さ」を世界に見せつけた。
「間違いなく大きな1ポイントですし、結果だけではなく、内容を見ても2度追いついたことはポジティブに捉えるべきで、次につながる試合かなと思います」
途中出場で勝ち点1の確保に貢献した冨安健洋がそう語れば、右センターバックで先発起用された渡辺剛も「すごく大きな『1』だと思っています」とオランダ相手に食い下がり、勝ち点をもぎ取ったことで自信を深めたようだった。
「0より絶対に1だし、このトーナメントをしっかり考えたら(ノックアウトステージ進出に)勝ち点4は必要になってくる中で、『1』は絶対に取る必要があった。そこを取れたのは大きいし、周りの国からしたら僕たちが負けるのは当たり前だと思っている中で、しっかり自分たちの力を少しでも示せたのは大きいな、と」
失点シーンにはそれぞれ反省すべき点がある。フィルジル・ファンダイクに許した先制点の場面では、渡辺が「自分自身も警戒していた部分があったので、あの失点は本当にもったいなかったし、チームの戦い方が大きく変わってしまう失点だった」と自らの対応を悔いた。クリセンシオ・サマーフィルの左足から生まれた2点目に関しても、伊藤洋輝が「自分自身もうちょっと寄せないと……と思っていたけど、僕の背後に走った選手が気になって出ようにも出られなかった」と反省を述べた。
「1点差や2点差ならチャンスはある」という共通認識
最終ラインの中央でディフェンス陣を統率していた谷口彰悟は、「自分たちから崩れない、失点して相手が先行する形でも、『もうないよ』という共通認識をみんなで持ちながら我慢強く戦えたのが、この勝ち点1につながった」と胸を張った。
「何があっても1点差に抑えておくこと。そこを保っておけば何が起こるかわからない。前回大会もそれで勝ち上がりましたし、今大会のアジア勢にもそういう戦いをしながら勝ち点1を拾う試合があったので、やっぱり(失点しても)常に1点差のゲームに持っていかなければいけないというのは、チームのみんなでも話していたので、それができたかなと思います」
1点差なら十分に追いつける。あわよくば逆転まで持っていける。チームの誰もがそう信じられたからこそ、組織から逸脱したプレーに走る選手を出さず、一体感を保ったまま試合を進めることができたのである。
「今の日本代表にはゴールを奪える選手がいるのと、1点差や2点差だったらまだまだチャンスはあるというのが共通認識で、みんながどんなシーンでも諦めない、崩れないのが一番大事」
そう語った渡辺は「この先は得失点差も絡んでくる」ことを念頭に置きつつ、1点の重みを理解していたからこその団結だったと捉えている。前回大会を経験している選手も多く、そのうえ強豪国と対戦して自信をつけてきたことが、勝ち越された後の冷静な試合運びにつながった。
「みんなが共通認識を持って入ったことで、ああいうところでも慌てずに1点をしっかりと取れた。だからこそ奪われてすぐに前からバーッと追うんじゃなくて、しっかり形を作ってというところがうまくできたと思います」